2008冬のアメリカ

 不景気である。雨が多いとはいえ「死ぬほど寒い」ことのない、この西海岸の街ポートランドには、いつも以上に野宿の人たちがいる。夏は、無銭旅行中のパンクな若者が目立っていたが、今、2008年12月は中年が目立つ。ダウンタウンでは、Spare some changes? そこら中から聞こえる。食料品店や、レストラン、カフェから出て来ると声をかけられることが多い。罪悪感に訴えているのか。

 アメリカの不景気は、9月に始まった。この街のメジャーな銀行も1行破綻したが、どこかの傘下に入ったようだ。大銀行も国の援助を増やしてもらい、保護される預金額を増やしたので今は小康状態。でも街の商店ではクリスマスの稼ぎ時なのに、早々とセールだ。すでに割り引いてあるものを、さらに40%オフセールまでやっていた。日本からの人間には、1ドルが94円換算だと、ますます物価が安く感じる。

 今回は、Powell’sのWEBセンターで通訳の仕事である。たった1週間の滞在なのであまり街を見られたわけではない。それでも、食事は特に今回のように「食い道楽」のクライアントさまとの場合、欠かせない。そしてご一緒したレストランは、ひとりあたり100ドルかかるところだったりするが、繁盛していた。やはり、貧富の差が大きくなり2極化しているのかもしれない……。

 

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