オバマ氏victory speechにリードアラウドの極意

 11月4日、アメリカの新大統領がバラク・オバマ氏に決まった。アメリカ大使館の講堂でその瞬間を見ようと、出かけて行ったものの、日本人大学生がうじゃうじゃ、ぺちゃくちゃ、なぜかちょっとエリート気分でしゃべっているのが耳障りで、「オバマ優勢」程度の時に退散。後に、インターネットで結果を知った。

 やはり素晴らしいスピーチだった。演説後半、106歳になるアフリカ系アメリカ人女性、Ann Nixon Cooperさんについて語りながら、Yes, we canが繰り返されるあたりで、わたしも感極まった。M.L.キング牧師のI Have a Dream スピーチのファンとしては、まるでその続きを聞くようで、感慨深いものがある。人種による理不尽がなくなる、その夢が叶うかも知れない……、と思わせてくれた。

 たたみかけるような、繰り返しのフレーズ、Yes, we can. は、そのつど違うニュアンスを含んで、聞く者の心に入ってくる。あんなこと、こんなこと、Yes, we can. と、クーパーさんはその長い人生で希望を失わずに来たわけだ。口まねでもなく、でも時に黒人のおばあさんの声にも、青年の声にも、優しい女の人の声にも聞こえ、それは希望に満ちた声だったり、祈るような声だったり、オバマ氏の声は七色変化だ。

 訴えるような強い声でゆっくりのところ、周囲の声を聞くかのようにあたりを見回しながらの間(ま)、隣に話しかけるようなさっさとしたスピードの語りの部分、実に自然に強弱と緩急の起伏をつけ、聴衆を引きつけ続ける。表情にも余裕があって、チャーミング。満点かな。
「Read Aloudもこうでなきゃね」と思う朝である。
Yes We Can: A Biography of Barack Obama
『Yes We Can: A Biography of Barack Obama』

Martin's Big Words: The Life of Dr. Martin Luther King, Jr.
『Martin’s Big Words: The Life of Dr. Martin Luther King, Jr.』

Barack Obama: An American Story: An American Story (All Aboard Reading)
『Barack Obama: An American Story: An American Story (All Aboard Reading)』