絵本『I'm Not Bobby!』は、すぐれた脚本だ:Let's read aloud!

 8月8日夜7時から、クレヨンハウスで

I'm Not Bobby
『I’m Not Bobby』

 動作を加えて、たとえば腕を組みながらとか、そして首を振りながらとかするといいかもしれない。
を、みなさんとリードアラウドする。ヴォイストレーニングとして、朝一番に声を出してみた。……歌も発声訓練にいいので、「千の風になって」を、トレーナーに習った立ち方、顔の向き、口を再現するように熱唱。すると、部屋が震撼し、植木鉢のシダの枝が1本、はらりと落ちた。

 いい感じだ。声が、喉で締められて止まらず、体全体が管のようになってお腹から出た、気がした。
 そして、威圧的な、いかにも親らしいことをダーと言って、それでも来ない子に癇癪を起こして、ドアをばたんと閉める。

「ほーら、お母さんの負けだ!」と思わせるような、大人の敗北を演じなければならない。
『I’m Not Bobby!』の作者Jules Feifferは、社会風刺マンガでピューリッツアー賞、短編アニメでアカデミー賞を受賞し、「マンガの殿堂」入りを果たした人だ。オスカーを取ったアニメ「Munro」がyoutubeで見られる。


 ここから先は、ボビーが今度は弱気になって後悔を始める難所。子どもらしさを失わず、意地はあり筋をとおしたいが、めちゃくちゃな道理をもってくる。情けなさと意地をどう表現するか。ひとりの場面は、聴衆の興味を維持させるために、さらに読む者の力が求められる。
 4歳のMunroが何かの間違いで徴兵されて……という物語。発表された1960年には、徴兵制度も戦争もあったので、不条理とはいえちょっと現実味がある。この少年に、今回の絵本のヒーロー、Bobbyの原型が見られるのが興味深い。どちらの少年も、何にでも「No! No! No!」という子。この「No No boys」たちを登場させる意味を、ピューリッツアー賞も取った風刺マンガ作家が考えてないわけない。『I’m Not Bobby!』は、こうして深読みできる、大人が楽しめる絵本であること間違いない。

 と、まあ絵本とはいえ、本書を読むときは、読む者が演じる者でなければならない。いい「教材」に巡り会った……。