クレヨンハウスでのリードアラウド2008.7

7月のリードアラウド会場には、なぜか大人の参加者が多かった。英語絵本の「読み聞かせ」をしよう、または既にしている教育者たちと見受けられる。熱心さが伝わってくる。

そして、もちろん子どもたちもいる。開始直後は、多分早起きしたせいもあるのだろう、無表情気味だ。または、初めてのことをする気恥ずかしさで、ちょっ とわたしとの視線をそらしがちだ。こうだがら余計、この子たちの目をさましてあげよう。笑わせて、おもしろがらせてあげよう、とやりがいを感じる。

この回で使ったのは、Basil。リードアラウドでのおなじみ4つの約束を確認する。

1.全部読めなくてもいい。分からないところはムニュムニュで。
自分が子どもだった時のことを思い出せばいい。緊張は禁物。気楽にやれるものが、楽しい。

2.読んでいるところを、指でなぞる。
子どもは、すぐに暗記できるが、わたしは「読書」の楽しさを伝えたい。どこを読んでいるか、確認しながら読む。

3.感じを込めて。
これが楽しい。状況設定を変えれば、同じ文章を読んでいてもあきない。

4.誰かに読んであげる。
繰り返し読むことを奨励するだけでは、だめ。この約束をすることで、必ずもう1度はこの本を読むだろう。そして、「感じを込めて」の大切さが少々でも分かるだろう。

この約束をしてから、本を読み始めた。
今回は、本文が少ないので、いつも以上に各人に読んでもらうチャンスがあった。

子どもって凄い。本文中”Surely!”というところ、「わーい!これだよね!」と、いい思いつきをしたという感じで読んで、といったら素晴らしい読みになった。
キャーという歓声のように読んだ少女がいた。うまい!
会場からは、大人たちの拍手が沸き起こった。こういうのが、なかなか大人には出来ない。童心に戻らなきゃ!

ひとつ、気になったことがある。親が熱心なあまり子どもに、文字を1字1句正確にsound outさせようとしている傾向だ。まあ、当然といえば当然。「常識」かもしれない。書いてあることを正確に読めてこそ、理解したのであるという考え。でも これ、ダメだ。英語がつまらなくなる。嫌いになる。へたになる。負の三段跳び!

He/would/be/a/teacher!
と、細切れに読んではだめ。「彼、は、先生?、に、なる、かも」と読んでいるみたいだ。
He/would be/a teacher!
この「かたまり」で読むよう強調した。「先生に、なるかも!」。自然な読み方である。そしてそれは、意味にそった「かたまり」=phrasingだから。

何はともあれ、子どもたちが、とてもおもしろがってくれたらしい。本を閉じる頃、その顔付きが変わっていた。ぴょんぴょん跳ねている子もいる。本を閉じて も「ニャー」と「ネコ声読み」をしていた子もいた。これだったら、家でこの本のことが話題にあがるだろう。そして、きっと「ネコの声で」とか「100歳の おばあさんの声で」とか、楽しみながら誰かに読んであげるかな。

8月8日(あっ、オリンピックの始まる日?)は19:00開始の大人対象、
I’m Not Bobby
I'm Not Bobby
I’m Not Bobby
でやってみる。ちょっとチャレンジングな本だ。大人たちの力量が、そしてわたしの力量が試される。このちょっとねじれ気味の子どものこねるダダを、どう好ましくかつエンターテーメントとして読もうか……。

リードアラウド参加申し込み、問い合わせ先:
クレヨンハウス 03-3406-3951 (11:00-19:00)

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