毎年初夏はブックエキスポ(BEA)の時期。今年は5月29日からロサンゼルスで開かれる。だいたい東と西を交互に開催地を決めているようで、来年はまたNYに戻る。
ロサンゼルスは10年ほど住んだ土地だが、あまり未練もない。わたしのなかでは終わった街だが、久しぶりに行くことになる。
いつもBEAには大挙して作家たちが集まってくる。出版社のいちおし作家たちがいっぺんに12、3のサイン会用のテーブルにつき著書にサインする。1時間刻みでつぎつぎと作家がやってくる。それが3日間続く。その際の本はみんな無料。たいへんな人気で、これだけのために行く人もいるのではないだろうか。
16年ほど通って覚えている中で、最も長蛇の列だったのはクリントン元大統領かもしれない。ほかにもBEAでは有名人にずいぶん「会った」。サッチャー元首相や、チャールトン・ヘストン、ソフィア・ローレン、スティーブン・キングなどなど。スティーブン・キングは、ロックバンドのドラマーとして参加。『ジョイラック・クラブ』のエイミー・タンがボーカルというすごいバンドだった。
今年のわたしの「目玉」は、
『The Thief Lord』や
『Inkheart』の作者、Cornelia Funkeと、
『The Invention of Hugo Cabret』。
イラストでは
『The Dinosaurs of Waterhouse Hawkins: An Illuminating History of Mr. Waterhouse Hawkins, Artist and Lecturer』や
『The Dulcimer Boy』など名作だらけのBrian Selznickだ。
このふたりの空気を感じてみたい。Creative mindというものに、なぜかとても興味がある。その道で才能をみせてきた人々を知ることで、なんだか人間というものに肯定的になれる。「人間も捨てたもんじゃない」と思いたいと、わたしは潜在的に願っているのかもしれない。