Mike Thaler(マイク・セイラー)さんとご一緒して

 4月13日、クレヨンハウスで絵本作家のMike Thalerさんの通訳を務めた。まずは、雑誌『クーヨン』のインタビュー。黄色いキャップに黄色のスニーカー、そして前日にユニクロで買ったという黄色いソックス、ハワイで購入した北斎っぽい波の絵のアロハという出で立ちのマイクさんは、76歳というが若々しい。

 Creativity が彼のキーワード。それを子どもたちに、失わないように、そして必ずひとりひとりが持っているはずのgift=才能を大切に育てよう、というメッセージだった。また、作家というもののcreativityは、内なる子どもらしさにある。それを失わないということが、作家であり続けるということだという。彼が若々しいのも、「子どもらしさ」を持ち続けているからだろう。「アイディアが枯渇した経験は?」という質問には「NEVER!」。そして見せてくれたのが、小さなノートと消しゴム付きの鉛筆。そのノートはアイディアを書き留めておくもので、200何番かの通し番号がふってあった。もう200冊以上あるわけだ!どんどん、思い浮かんだいいことを書き留めているとのこと。

 午後は、ファンを前にトークとワークショップ。Riddle Kingとも呼ばれるマイクさんだが、英語ができてこそのriddleなので、日本の子どもを前にしてちょっと調子が違う。通訳の技量が試される場面でもあった。冷や汗……。
予定になかった The Teacher from the Black Lagoon
The Teacher from the Black Lagoon』(4月15日から先着9名はサイン付きで!)のRead Aloudをすることになり、通訳、またまた冷や汗。英語がわからなくても、楽しくしなきゃ!とひとふんばり。あ〜エネルギー消耗した……。

 でも、たくさんの方がサイン会にまで残ってくれて、よかった、よかった。そしてその後である。疲れていたかのようだったマイクさんに、「Netsuke time!」と言ったとたん、「イエー!」と休む間もとらず、すくっと立ち上がった。あらかじめ下調べしておいた骨董品店に、根付けを見に行くことになっていたのである。

 根付けは、欧米にコレクターが多い。マイクさんは、本格的なコレクターである。安物には興味がないと思ったので、本物を扱う店を見つけておいてよかった。マイクさん、吸い寄せられるように一つの印籠と根付けを手にとった。目がそれを愛でて離れない。そこでの空気は、骨董品を扱うディーラーと客独特のものなのだろう。会話や、視線のやりとり、間など緊張感がある。そして一流品の品格というものも、空気を緊張させるものだった。
 絵本作家の、芸術家としての根っこを見たような気がした。