英語の本を読む習慣がなかなかつけられない。英語圏の子どもたちも同じだ。絵本卒業後に、『Frog and Toad』シリーズをはじめとする「early readers」とも呼ばれるジャンル、例えば
『Small Pig (I Can Read Book 2) 』のようなものまではどうにかたどり着くのだが、そこからのハードルが高い。
日本の中3レベルであれば「early readers」を読む英語力があるし、絵もかわいいものが多いので読む気にもなる。だが、そこから先、高校に入って受験やらで気が急ぐこともあって、長文問題は解いても、本としてまとまったものを読む機会がなかなかない。ここからが問題なのだ。
ネイティブも日本の英語学習者も、このステージは同じ。このハードルを越えないと、英語の本を楽しみとして読めるようにはなれない。そこで、攻めるべきは「チャプターブック」なのだ。
「Chapter books」は、短いchapterで構成されている。また全ページが少ない。このふたつの形態を持った児童書を一般に「チャプターブック」と英語圏では称す。英語圏では8〜10歳あたりが主な対象だった。
例えば、『Magic Tree House』シリーズの『Polar Bears Past Bedtime (Magic Tree House 12, paper)』や『Time Warp Trio』シリーズの『Viking It and Liking It (Time Warp Trio)』などなど、挙げればきりがないが、こうしたシリーズものが典型的だった。
「だった」と過去形で書いたのには、わけがある。ここ7、8年の傾向ではないかと思うのだが、対象年齢が上方に広がったのだ。チャプターブックの形態で、対象が11、12歳またはそれ以上のものが出て来たのだ。
以前から、『Sarah, Plain and Tall』や『The Heavenly Village』や『Sounder』 など、内容が深く、年齢にほとんど関係ない名著といえるチャプターブックはあった。だが、近年は嬉しいことに、こういった読み応えのあるものが増える傾向 にある印象だ。わたしは、これが日本人の英語学習者の多くが読むべきジャンルだと常々思い、機会あるごとに熱く話したり書いたりしている。
この傾向に平行し、ここ3、4年の傾向として見られるのが「graphic novels」というジャンルの攻勢。今もっとも熱い例は『The Invention of Hugo Cabret』。
素晴らしい! コルデコット賞受賞のイラストもさることながら、物語がどんどん読者を引っ張って行く。読み終わるのが惜しかった。詳しくは、別の日に。
この「graphic novels」、英語力のステージでいえば、絵本→early readers→chapter books→middle readers→young adultだったところに、early readersの次、またはchapter books と平行したステージに入り込んだ感じか。傍流と言ってもいいかもしれない。この形態のまま「young adult」のジャンルまでカバーしだしたのだ。
ではこの「graphic novels」とは?
つづく。
キッズブックスのブッククラブで言えば、チャプターブックをたくさん読むコースは、この春(4月配本。現在準備中)から「Dコース」それまでの名前で言えば、「レベル3」
『キッズブックス・ブッククラブ レベル3 (BCおためし)』になる。