2007年夏ポートランドだより最終回

 今夏、ポートランドは9月8日まで滞在した。帰国の前日は、日本からのお客様のご案内をすることになっていたが、たいへんなことになった。

 ご家族4人でいらっしゃたのだが、18歳のお嬢さんが体調を崩した。様子をみていたがどんどん悪くなるばかり。とうとう、救急車を呼んだ……。アメリカでわたしが不安なことのひとつが、医療。もちろん主治医がいない。となると、体の作りが同じ人間といっても頑丈さがアメリカ人と違うので、微妙なところで医療者に理解してもらえない不安がある。
 
 嫌な経験をアメリカの病院でした(もちろん日本でも経験したが)ことも、不安の原因だ。

1)微熱が1ヶ月以上続いたので、診察を受けたら「こんなので来るな」のような扱い。「ま、リラックスすればいいんじゃない」。わたしの微熱は、アメリカ人の平熱だった……。
2)膀胱炎で診察を受けたら、「不潔な性行為をしていないか」と真っ先に聞かれた……。
3)貧血で倒れ、通行人が救急車を呼んでその中に運び込まれた時。手も上がらない状態で、脂汗が出るほどの激痛に苦しんでいたのに、まず「この書面を読んで、同意書にサインしなさい」と言われたこと。
原因が月経困難症だとわかるや、別れ際に吐き捨てるように「See you next month」と言われたこと。
などなど。

 以上の経験はすべて、ロスアンジェルス市。今回のこのポートランド市の救急隊は驚くほど親切だった。そして、どこからの救急隊の仕事に料金が発生するかということも、機械的でなく親身になって教えてくれた。また、その時間に救急で診てくれるもっとも近い病院も、的確に教えてくれた。市民サービスとして合格だと思った。

 そのご一家と一緒に病院に行ってお手伝いしたかったが、あと数時間で帰国の途につかねばならず、それも出来なかったのが心残りだった。点滴を受けて病状が安定したと、空港からの電話で確認してほっとし、わたしはシアトルそして成田へ向かったのであった。

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