セントメリーズ・インターナショナル・スクールと子どもの洋書店

 世田谷区にあるセントメリーズ・インターナショナル・スクールの、春の恒例カーニバルに今年も出店した。出店するようになって、もう15年にはなるはず。東京のインターナショナル・コミュニティと、東京の子どもの洋書の動向を見る「定点観測サイト」である。
 おおざっぱにいえば、集まるのは外国に関係ある人たちと、外国に興味のある人たち。それが毎年2万人近くここに集う。共通言語は英語。
 
 今年は、天気に恵まれた事と景気回復がやっと人々のお財布にまでやってきたおかげか、まあまあの売り上げだった。
 
 さてここで特徴的な「観測」をいくつか記しておきたい。

1)子どもの本は消耗品と考え、ハードカバーよりペーパーカバーが圧倒的に売れる。
2)複数冊ある本が店先で重ねられている場合、上のものから売れて行く。
3)インド人の親は、父母両方とも熱心に教材を選び、お金を使う。地味で中身の濃い教材が選ばれる事が多い。
4)外国人の親は、子どもが本を乱暴に扱うと叱る。
5)外国人の子どもが値段を聞く場合、「これ、いくらですか」より「これ、何円ですか」と言うことが多い(日本語の場合)。
6)「伝記」がないかと尋ねてくる子どもが、必ず1人はいる。
7)高校生から大学生くらいの日本の女子は二人組で立ち読みする子たちが多く、かなり簡単なものを手に取ったときも「こんなの読めたらいいね」。そしてたいてい買わない。
8)孫自慢のご婦人に、少し値段が高めで英語が難しめの上品な本をお勧めすると、成功率が高い。
9)景気がいいと「クラッツ」という出版社の、デザインのしゃれた手芸・工芸キットがよく売れる(景気回復のバロメーター)。

こんなことが、観察される。

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