大島英美のポートランドだより 子守認定書

児童小説(レベル3)では、Judy BlumeによるロングセラーのFudgeシリーズ『Fudge-a-Mania』を、ここポートランドで読んでいる。主人公は小学生中学年くらいの少年ピーターで、5歳の弟ファッジとの日々とちょっとした事件の数々を、ユーモラスに描いた作品。「天敵」として登場する同年齢の女子、シーラとの口論が楽しい。

シーラが、自からピーターの母に交渉して1日7ドルでファッジの子守り(baby-sitting)をすることになる。その交渉の場面で「わたしは、子守りの認定書を持っています」と言うが、そこで思い出した。

今回の取材で訪れた Maywood Park 市の「市議会」でのことだ。このメイウッドパーク市というのは、周りを大きなポートランド市に囲まれ、ぽつんと浮島のようになっているところ。人口700人ほどの本当に小さな市だが、ポートランド市に併合されるのを嫌って、1967年から独立した市として存在している。今回その「市議会」を取材させてもらった。

議員5、6人が能率よく議事を進行している間、床で小学生3、4年生くらいの子どもが2人、静かにゲームなどして議員である親を待っていた。議会の終わりに、議事録を付けていた女性が「もうひとつ、お知らせがあります」と立ち上がり、子どもの片方の女の子を指差して言った。
「この子は、最近赤十字の baby-sitter 認定書をもらいました。いつでも5歳以上の子どもの baby-sitting をしますからと皆さんにお知らせください」。

子守りの認定書を9、10歳からもらえるのにも驚いたが、baby-sitting という一種の文化が今もアメリカの社会に根付いていて、違う年齢の子どもたちが伴に育って行ける土壌を作っているのだと再認識した。

Fudge-A-Mania