リードアラウドの4つの約束

いつもリードアラウドには、それをするのが初めての子どもがいる。
その子たちとする約束4つとその意味を、ここにまた再録しておく。

●約束1……読んでいる文字を指でなぞる
1)finger-point reading(voice-to-print match)の方法である
 英語は、ひらがなやカタカナのように1字が1音節を表す日本語と違い、1字が1音素あるいは1単音を表す。そのため、たとえばstopを「s-t-o-p」と1字1字アルファベットの音素でたどっても、「ストップ」とは読めない。s-t-o-pという4字の塊が、「ストップ」と発音することを知識に入れなければならない。
 このように英語は、基本的に単語単位で読み方を知らなければ読めず、そのため、綴られた単語を読むことを「暗号(code)を解く」、解読といった意味の、decodingと称する。文字を読みながら、読んでいる文字を指でなぞる、finger-point readingは、英語圏の教育現場で使われている方法で、これによって単語ごとに固有の読みが、その綴りと、頭の中でマッチする。

2)暗記ではなく、文字を読ませるため
3)文字や文章の構造的特徴に意識を向けさせるため
 
●約束2……読めないところは、ムニャムニャでOK

1)初対面・初体験の緊張や不安を解き、空気をなごませる
2)「勉強じゃない」演出をする
3)単語が読めない初心者レベルでも参加できるようにする
これらのために、この約束をする。
ただし、いつも忘れずに、「一緒に読んでいくうちに、ムニャムニャが減る」ことも伝える。

●約束3……感じを出して読む
役割は、以下の通り。
1)適した表現を指導し、内容理解を深めさせる
2)いろいろな表現を促し、表現する楽しさを教える
3)コミュニケーション能力の大切さを伝え、育成する
4)表現の指導を建前に、反復練習させる
5)正解のない「表現」という尺度を用いることで、気を楽にさせる

(4)約束4……家で誰かに読んであげる

 この約束には、しばしば「24時間以内に」という条件をつけたりする。こうして(実は近々であれば、いつでもいいのに)期限を切られると、子どもは約束を守りやすくなるようだ。

1)反復練習させる
2)家族を巻き込むことで、家庭で英語にふれる時間を増やす
3)誰(何)に読むかを尋ねて発言させ、より深くコミットさせる
4)読む相手を作ることで、読むペースや声のトーン・大きさを意識させる
こんな、役割のある約束である。

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