子どもとの対話でも大切な「Yes, and」とは~キッズブックス英語スクール

大人が子どもと対話する、会話するときに、子どもの成長にとても大切な鍵がある。
「Yes, and」で話に応えること。
リードアラウドでは、指導者にこの姿勢と実行の徹底を学んでもらって、子どもとの授業では
子どもに活発に発言させて
対話を中心に
「教え込まない」
で、
まずは絵本を
そして英語を楽しませることをモットーとしている。
指導者だけでなく、親を含めて子どもに接する大人はみな、このことを知っていて欲しいとも思う。
リードアラウドのベテラン指導者でも、ときにせっかくの子どもの発言を、Yes, andでつなぎきれていないことがある。
 
先日『My Little Sister Ate One Hare』を、ふたりのリードアラウド講師が、子どもたちとリードアラウド。
何ページか進んだところで、本に描かれた主人公が着ているコスチュームを見て
「あ、roosterのかっこうをしている!」と少女。
 
ひとりの先生は、もうひとりのほうを向いて「お願い」の目線?
目線を送られた先生は、
「roosterか…」。
時間は押している。
(さあ、どうしよう)
(もうひとりの先生、助け船だしてくれないのか?)
などの、戸惑いが「……」
と歯切れの悪さに現れる。
ここは、反射的にそしてはっきり
「そうだね!」
とまず応えたかった。
Yesは、すぐにはっきり言うこと。
それからandで繋ぐ。
こんなのでもよかった。
「Little sisterが、ほんと、なぜかroosterみたいな、オンドリみたいな格好しているね。よく気づいたね。
rooster、オンドリってよく知っているね。
このニワトリ、オスかもね。」
少女は、「henかな」とも発言。
これにもこうすぐさま応えたかった。
「ああ、そうそう。メスのhen かもしれない。ニワトリのメスはhen、みんなも『hen』!」こうして他の子と知識をシェアする。
それが、少女の発言を先生が、
active listening
したということ。
シェアしたことが、and の役目を果たす。
また、さらに本の筋と繋げるこんな and も続けられる。
「なんでroosterまたはhenのかっこうをしているんだろう?
ニワトリたちは何を食べるの?」
そして「ミミズ!」などの子どもの声を待つ。
それから、
「そう!ミミズ、wormsだね。ほら食べている!」
 
と、本文に繋ぐ。
 
子どもは、大人が自分の発言を聞いてくれる、受けてくれる、参考にしてくれる…そういうことが、誇らしく嬉しい。
そして、その誇らしく嬉しい気持ちが、さらなる学習や読書の
動機付けになるのだ。

失敗しても笑える環境:Improvisationクラスの愉快な仲間たち

「出不精」「引っ込み思案」の自分に鞭を打ち、improvisationの本場でクラスを受講。


今年で3年目になる。

(「出不精」「引っ込み思案」にカギカッコがついているのは、自分のなかでは、という意味。外見はそうではなさそうに思われていそうなので)

クラスは2時間、warm-upのゲームから始まる。

この日に行った、ひとつのゲーム。

どうもわたしの反射神経がついていけない。

笑ってしまうほどできないのだ。

 

擬声音+方向を示す異なる動作を3つ、ひとりずつ順にして指された方向にいる人がそれを受け、次に別の動作をするというもの。

単純だが、だれが指されたか、次にどの動作をするか、てきぱきしなければならない。

 

間違えると、輪を一周しなければならないのだが、輪を回ってばかり。

これがみんなに大ウケ。

ウケねらいでもないのに、わたしもゲラゲラ、お腹を抱えて笑いながら回る。

 

また間違えるのを見たいらしく、よく当たる(ような気がする)。

 

みんなで大笑いで終わったとき、ひとりの若者がわたしにhigh five!

That was great! だって。

そして拍手。

 

これだね!

「失敗」「不出来」という後ろ向きな発想は捨て、現状を受け入れる。

これができない場面もあるが、学びの場はいつでもこうでなくちゃ。

 

このspiritが、日本の多くの環境にももっとあれば生きやすいのに。

 

先生なら、自分のクラスから始められるのでは?

 

 

 

Risk taking(リスクを取ること)と英語学習、英語指導:その2

なかなか発言ができない、という悩みを持つ大人も子どももいる。

度合いがいろいろあるが、場面かん黙と呼ばれるものは、場合や状況によって発言どころか声さえも、実際に出なくなってしまう。

 

Improvisation(インプロ or シアターゲームとも言う)をやっていて思ったのは、こうした人前で「発言ができない」傾向のある人たちに、とてもよいトレーニングになるだろうということ。

 

icebreakerと呼ばれる種類のImprov.の演習(ゲーム)などは、文字どおり氷を解かす。

氷のように固まっている心の筋肉を、あっと言う間にほぐしてくれる。

Improvisationでは、

「失敗」というものがない環境づくりを心得たfacilitatorがいて、

何を言ってもYes, andと、肯定し積極的に、こちらの発言を次の展開に引用したり生かしてくれる。

こうしたandで話を繋いでくれるということが、おそるおそる発言した人には、とても自信になり、このことで緊張がほぐれて行く。

 

英語学習者の「発言」について考えてみる。

「発言ができない」人はさらに多くなる。

特に日本人に、この傾向が強いが、

「間違ったら嫌だ、恥ずかしい」

という気持ちが主な原因だ。

 

そのせいで、せっかくの「英会話」の時間を、聞くだけで過ごしてしまったりする。

パーティや休み時間の雑談の時間など、生きた「英会話」が学べる集いの場で、寡黙になって聞き役に徹してしまう。

わが身を振り返って、もったいない時間があったとつくづく思う。

 

こんな典型的な日本人の英語学習の傾向を、improvisationは変えられるのではないか。

近頃、強く思う。

わたしも、学生時代からImprov.を知っていたらなあ、と思う。

 

Improv.では、

「失敗」も「間違い」もない。

みんながそういう態度で接する場を作れれば、それまで発言がなかった人も、思いついたまま、文法などひとまずぶっ飛ばし、話し始められる。

その場を作れるのは「指導者」のみなさんだ。

 

親でも先生でも、まずは指導的立場にある人がはっきりと、「ここでは失敗はない」と伝え、実際にそうだと思ってもらえる行動をとろう。

 

それは、具体的にはこんなこと。

Improv.の方法でもある。

 

1.緊張をほぐす(日本語であらすじを言い合ったり、絵を見て勝手に話を想像して見たり、シアターゲームをしたり)

 

2. open questions(正解がない質問)を頻繁に投げかける

 

3.相手の発言を積極的に聞く(active listening)

 

4.発言を、Yes, andで繋ぐ

 

Yes, Andの参考映像。Improviserであり女優でもあるTina Feyが、分かりやすい例を挙げて説明している。(2:30あたりから)

Risk taking(リスクを取ること)と英語学習、英語指導:その1

「インプロ」と訳されることが多いImprovisation(略:Improv)のクラスをアメリカで受講するようになって、今年は3年目。

 

2時間ずつのクラスが8回で1コース。

滞在日数の関係で、いつも4回までしか受けられず、万年初級クラスである。

 

でも、目的が日本でのリードアラウド指導に役立てたり、
アクティビティとして日本人向けにアレンジすることなので、かえって初級クラスを何度も受けるほうが役立つような気もする。

 

実にいろいろな演習(or シアターゲーム)をするのだが、それら演習をする意味が、よくわかってきた。

 

Improvの大切なコンセプトのひとつに、「リスクをとる」というのがある。

 

演習の多くが、この「リスクをとる」ことの演習につながっているのがわかってきた。

リスクをとる、とは言い方を変えれば、

 

新しい考え(思いつき)や解決法をいつでも受け入れられるように、心を開いておく

 

ということ。

 

目の前に現れた状況や事情を、受け入れること

 

リードアラウドで言えば、子どもに質問して想定外の応えを出されたときなどが、この状況にあてはまる。

 

子どもに発問すること。
そしてその応えを受け入れること。

これは指導者が準備していた答えとか進め方どおりに出来なくなる、「リスクをとる」ことだ。

 

これが、これまでに話題にしたこともある「Yes, and」の「Yes」の部分。

リスクをとって、yesと受け入れる。

それから、
and〜を付け加える。

 

すなわち、

その応えをした子どもと協働したり、

 

その子の考えを深めたり広げたり、

 

その場にいる全員に働きかける

 

指導者にとって、発問することはリスクを取ることだが、
子どもにとっても、発言はリスクだ。

 

このリスクをとった相手に対して、Improv.では素晴らしい、「取るべき態度」が約束事にある。

それは、

Embrace failure

失敗を失敗にさせないで、肯定すること。

Create safety

「ここなら、いいんだよ」と、安心の場を提供すること。

リスクをとったことを常に肯定し、支える

 

周囲にそういう肯定的な態度で接される限り、リスクを取って応えたり発言した子どもには、「失敗」はない。

発言すること、質問にこたえることは、大人も子どもも勇気がいること。

この勇気ある行動のあとに、いつもそれが肯定され支えられるなら、人はより楽な気持ちになれ、またリスクを取る気概が出てくる。

 

この心がけは、英語学習者にも大いに役立つ。

 

文法や発音を間違えたらどうしよう

とずっと発言しないでいるのではなく、リスクを取る。

これが、上達を促してくれる。

 

手を挙げること。
声を上げ、自分で話す機会を作ってしまうこと。

「誰かやりたい人は?」
という聞かれたら、機会を逃さない。

リスクを取るのだ。

Improv.の演習は、とても気楽。

子どもの頃の遊んでいる時間を思い出す。

失敗を恐れることが少なくなり、いつのまにか反射的に前に出られる自分、大きな表現をする自分を発見する。

(続く)

『Inch by Inch』参考動画~キッズブックス英語スクール

小学生クラス、そしてリードアラウド認定講師講座の8月の課題書である本書。

このビデオは模範的な読みの、ご参考に。

こちら、アドバンス認定講師のご参考に。

子どもの溌剌とした読み方に、少しでも近づけるよう、指導者のみなさんはご研鑽を。