広島でリードアラウド:『Freight Train』〜H先生の報告 その1

Freight Train
「リードアラウド広島」(facebookをご覧ください) のH先生が、『Freight Train』を使って開催したワークショップの報告が届いた!

今回は、大チャレンジだった。
というのは、初めて参加者から料金を頂くことにしたから。
これまでは、本代として1,000円徴収して、会場費などをまかなっていたが、キャンセルがあると赤字になることもあった。
リードアラウドの「親分」として、H先生はリードアラウド認定講師(申請中)として恥ずかしくない実力の持ち主だ。
プロとして、料金を頂くの当然だと考える。
心配そうなH先生だったが、「お得感」を出すということで、勇気を持って料金を設定。
2,000円(本代込)で募集し、以下の報告のとおり、成功!
興味深い点がいくつもある、とてもありがたい報告だ。
おつかれさまでした、H先生。そして、どうもありがとう!

以下、H先生の報告。

6組の親子が参加。こどもは1〜4歳。全員、リードアラウドは初めて。
はじめにリードアラウドの定義、4つの約束を説明したあと、いつも通り指なぞりをチェックしながら読み進めていく。

今日の目標は、
1.colorsを英語で言えるようにする。
2.貨物列車の貨車にも色々な種類(caboose、cattle car、hopper car、 tenderなど)があることを紹介する。

今回は2つのアクティビティと録音セッションを盛り込みながらリードアラウドを行った。以下、工夫した点など。
・Freight Train.のページが終わったら、折り紙を配って、先生が読んだらその色を出してね!と指示。red caboose から読んでいく。それぞれの机の上に折り紙のFreight Train を作らせる。

・ラストまで1回読み終わったところで、次のアクティビティ、塗り絵。色を塗ったら切って、絵本と同じ並びでFreight Train を作らせる。

KIMG1088

・movingのページでは、いままで停まっていた列車が走り出したことに歓声があがった。躍動感をこめて「moving.」を読む。ゆっくり、速い、めちゃめちゃ速い、などスピードを変えて読んで楽しんだ。

リードアラウド指導者ならではの技!
練習しがいがありましたね。こういう、子どもの喜ぶツボを落とす大人が多すぎる。

・going through tunnelsは席を立たせ、しゃがみこんでからtunnelsのところでジャンプしながら読む。こどもは大喜び。アクション付きで読むと文字だけよりも印象に残りやすいし、楽しんでもらえる。

提案はしてみたけれど、若さですね!大島もやるときはやりますが、くたくた、汗だくです…。でも実演者としては、いつまでもアクションは機敏に、すぐに立って動くようにすべき。

・最後の読みは録音アプリを持っている方は、用意してもらって、全員の読みを録音。みんな初めて使うので、新鮮味があり、楽しかった。おうちで聞けるということにも喜んでもらえた。

これは上手に付加価値をつけるべきだと、日頃から思っていました。大切に、特別感をこれからも出すように。実際、CDがないものが多いので、こうした著作権にも触れないやりかたで「おもちかえり」できるのはいいことですね。
Truck

・リードアラウドの終わりに、おまけとして『Inside Freight Train』を読む。それぞれの貨車の中がどうなっているのか、イラストでわかりやすく説明してあるので、『Freight Train』の答え合わせをするように、興味津々で聞いてもらえた。
Truck

本文が短いテキストを使うときは、同作者または同系統の本を用意しておくといい。興味を持ったところで、さらなる読書に誘う機会。
リードアラウドは、英語のfluencyを伸ばすだけでなく、読書好きをそだてるという目的もある。

(反省点、つづく)

ある先生からの質問〜リードアラウドで絵本は一人一冊必要?

リードアラウドを始めて間もない先生から、こんな質問がきた。

リードアラウドに使う絵本についてお聞きしたいのですが、
キッズブックスのブッククラブ)配本は、英語初心者さんには負担が大きく、
アマゾンなどで単品購入は在庫があったりなかったり・・・
なんだか難しいです。
なんとかあまり負担にならない方法を考えたいのですが、
基本的に一人一冊持たないと、難しいですよね…。

先日のブログにも書いたように、リードアラウドは、自分の本を持ちみんなで読んでから、家に帰って家族と何度も親しむところまでが、1パッケージになっている。
家庭で家族と一緒の取り組むことで、英語の楽しさや英語絵本を読む楽しみを子どもに感じさせ、英語と本への興味を喚起する。

ただ、場合によっては、一人一冊ではなく借り物でもいい。
ある公立小学校では、全員に行き渡る数のリードアラウド用絵本を購入し、文庫化して貸し出した。
同様に、英語塾なら、教室で人数分揃えて生徒に貸すという方法もあり。
それなら生徒側には負担にならない。

日本で、英語の名作絵本を蔵書にしている家庭はなかなかないだろう。
そこで、絵本を教材として買っていただいて、実はこんなに楽しめるということを、実感してもらうのも意味があるのでは?
一冊千円位のペーパーバック絵本を、三回くらいのレッスンで使えば、負担感はだいぶ減る。

北米の英語教育者の研究では、自分の本を所有することの喜びが、読書好きに繋がり、国語(英語)力がアップするということが通説になっているようだ。
リードアラウドの指導者の役目は、英語絵本のよさを知ってもらうこと。
そして、絵本を家庭でも活用してもらうこと。
そのためにも、リードアラウドとはなにかをしっかり認識して、朗読と指導の力を付けていこう。

リードアラウドの「ムニャムニャ」はどうして?〜Prosody(プロソディ)について

リードアラウドを子どもたちとするときに、4つ約束をする。
その1つとして、「読めないところは、ムニャムニャでいいからね」という。

これは、リラックスさせる目的の他に、リードアラウドが重きを置くreading fluency(表現豊かな読み方)の育成のためでもある。

「正確に」英語を言っているのに、英語圏の人々に通じないーーこんな経験は、これまで日本で英語を学んできた日本人なら一度ならずとも、経験があるのではないだろうか。

どうしてなんだろう?

たいていは、「発音が悪いから」と発音のせいにしてしまう。
だが実は、これは言語学で言うところの、prosody (韻律)が適当でないためではないかと思う。

歌で例えるなら、歌詞は正しいがメロディが違う。メロディがない。または調子はずれ…。
だから、同じ歌だと認識されない。

英語を歌だと思えば、通じない理由がなんだかわかる。

日本の学校では、「歌詞」である単語ひとつひとつを正確に読むことが、最初に求められ、「メロディ」は置き去りにされることすらある。

しかしリードアラウドは、「ムニャムニャ」で、この逆をいく。

「歌詞」はわからなくとも、正しい「メロディ」にまず声を乗せさせる。
これは、とくに子どもに、英語の敷居を低くする効果がある。
すぐに声を乗せられるし、とても喜ぶ。

こうして楽しいハミングとか鼻歌みたいな「ムニャムニャ」で、英語のprosodyから学ぶのだ。

prosodyー具体的にはイントネーションやフレージング、強弱、リズムや間合いなどーから入り、ぽつぽつでも「歌詞」にあたる英文と一致させて学ばせるというわけだ。

FAQ(よくある質問)「英語、親はどう関わる?」

幼児から4、5年生位までの子どもの塾やスクールの英語に、親は復習のつもりで付き合おう。

親は子どもの英語学習に関わるものとして、どう付き合ったらいいと思うかを述べたい。

以下は、おすすめの関わり方。

・興味を示す

一番大切。
最低限、これだけはちょっと大げさなくらい示して欲しい。

塾やスクールで使ったり、話題になった英語絵本を一緒に見て、あれやこれや話すだけでもいい。

「この間読んでいた絵本、ちょっと見せて。面白そうだったなあ。読めるか読んでみたい」など、親自身の興味を示そう。

・質問する

興味を持つことにも含まれるが、具体的な関わり方のひとつとして挙げたい。
「どんな話?」
「この子がどうなるの?」
「この子、いい子なの?」
問題を出すという感じではなく、親の興味にまかせて尋ねる。
「そんなこと知らないよ」と子どもがあきれるような、とんでもない質問もいい。
「このクマ、結婚しているの?」など。

以上をしてみて、ご機嫌よさそうであれば…

・読めそうなところを、読んでもらう

「読ませる」ではないところに注意!
子どもの方が表現的に上手な場合もあるので、読んでいただくのである。

「ここって、どう読むんだろう。お母さん(お父さん)の読み方であっているかな?それとも、読み方教えてくれる?」
分からなそうだったら、電子辞書など音声のついている辞書に発音させて、親子で確認する。

読めないところが多かったら、youtubeなどで、その絵本の朗読をしている投稿を探して参考にしてみよう。

参考音源がなかったら、パソコンのOSにある読み下し機能「スピーク」などに、文章を入力して読ませてみよう。
表現は平坦だが、おおよその読み方は分かる。

もう、このへんでOK。
また、いつも覚えていて欲しいのは、子どもは一見、平等のような感じで、親と一緒に何かをするのが嬉しいこと。

間違えとか、不案内を恐れず、子どもと学ぶつもりで、一緒に過ごす「関わり」の時間を捻出して欲しい。
親子のいい思い出にもなる。

さて、思春期に入る5,6年生について。

この年になると、「ママ(パパ)、うるさい」と迷惑そうな顔をし始めるものだ。
実は、心の奥ではかまってくれるのが嬉しいのだが、もう大きくなった自分がそんな「子どもっぽい思い」を許さない。

こうなったら、親としては寂しいが、物理的には離れよう。
たとえ、子どもが英語を読むのが聞こえても、離れているわけだから「聞こえた」ことは内緒にしておく。

しかし、英語のことを気にかけていることを、ことあるごとに示す。
「今、どんな本を読んでいるの?本を見てもいい?」

それから、ご機嫌よろしく本を貸してもらえたら、親が声を出して読んでみる。

たまらなくなった子どもが、読み方を直してくれるかもしれない。

また、子どもが使っている本を片付けるふりをする。
そして、「ヘー、こういう本なんだ」などときっかけを作ったり、ちょっとした演技力を発揮する。

本当に上手いところを褒める。

こんな感じでいかが。

FAQ(よくある質問)「インター幼稚園卒に適した英語教育は?」

英語で保育するプリスクール、幼稚園が、都市部では増えた。
ただ卒園後に、続けて英語で教育するイマージョン校や、インターナショナル校へ行く子は一部で、かなり多くは普通の公立や私立小学校へ進学する。

親としてはせっかくの英語力を、出来るだけさらに伸ばしたいと思うと同時に、それまでの努力が「水の泡」になってしまうのではないかと、ちょっとした強迫観念に襲われることもあるだろう。

では、どうしたらいいだろう。

「日常的に英語を使う」のは、いったん無理とあきらめなければならないかもしれない。
親子のコミュニケーションは、やはり母語に限る。

ただ、第二言語研究者たちの研究によって定説になっているのが、幼児期に学んだ言語の発音は、年月がたってもかなり残るということだ。

これには、ほっとするに違いない。
「水の泡」にはならないから、ひと安心だ。

日常的に英語は使う機会はなくなるが、出来ることがある。
「エアギター」ならぬ「エア英語」。
つまり、Readingである。
本を開けば、そこに英語の世界がある。

readingはある程度、苦でなくなると、「自由の翼」を得たようなもの。
どんどん英語で知識が得られるようになる。
それと同時に、どんどん英語力がつく。

ではreadingの力、reading fluency(苦なく滑らかに読める力)をどう身につけるか。

それには、楽しめる本を、あるときは反復し表現力を高めながら、あるときはたくさん読む。
質と量で攻める。

加えて、自分の力を定期的にアセスメントして、段階的に高めていく。

英語圏の学年別英語力を目安にして、指導者の協力などを仰ぎつつ、実際の自分の学年との差を縮める努力をして行こう。

なお、わたしの主宰するスクールでは、現在、英語圏の3~4年生レベルのクラスと、1〜2年生レベルのクラスで、伸び盛りのreading fluencyを身に付けつつある生徒たちが仲間を待っている。
クラス体験、そして簡単なreading fluency アセスメントを受けてみてはいかが。

Reading Fluencyが英語圏3~4年生レベルのスクール生によるReaders Theater。