大島英美のBLOG

「この本の続き、あるの?」said中学生〜キッズブックス英語スクール

小学生低学年時からリードアラウドで英語を学び、中学生クラスの今中学最終学年の生徒。

思春期の到来と伴に、リードアラウドらしい読み方は少々影を潜めたが、『The Little House』など読み応えのある絵本も、それなりに内容を理解しながら、棒読みではなく、ほぼFluent reading(一歩手前くらい?)で読める。

英検準備などで、多少遅れ気味だった講読時間だったが、『Ghosts』を先日読み終えた。

英語圏の同年代が楽しんで読む本を、日本の同年代が「楽しんで」読むのはなかなか難しい。

だが、この本では、それが出来たようだ。

この日、わが生徒は英検初戦で高得点合格で気分も上々だったこともあって、言葉数が多く、この発言を得られた。

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「この本、続きあるの?」

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つまり、続きが読みたい、というメッセージだ。

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「ここで、終わられちゃ、気持ちが悪い」

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よーし。
読書のツボにはまってくれたようだ。

こういうことで、指導者というもの、ずいぶんといい気分になれるもの。
ああ、ありがたや。
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ところで、この本。英語圏ではグラフィックノベルと呼ばれるジャンルだが、日本ではコミックか。

日本で「コミック」というと、「お勉強」の仲間に入れてもらえないようだが、英語圏の英語科、図書館など、内容にお目通しがあるが、ちゃんとそれを通過したグラフィックノベルなら、読書として勘定に入れてくれる。
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『Ghosts』は、ミレニアム世代の作家が自分の中学生時代をイメージして書いて、ベストセラーになったもの。

やはり、中学生のツボが押さえられているだけあって、完全に読み取れていないにしても、わが生徒、見た所85%くらいの理解が出来ていて、それで飽きずに読み通せ、おまけに「おかわり」のリクエストまで出た。

飛ばし読み、要所要所の「とばし指導」も、グラフィックノベルならやりやすい。
中学生レベルになった生徒との対面授業では、グラフィックノベルも活用していこうかと思う。

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英語えほん千夜一夜第20夜~Bark, George

Bark, George文・絵Jules Feiffer , $16.99 レクサイル指数:  目安のレベル:初級

 ニューヨーク市の伝統あるフリーペーパー、『The Village Voice』。1986年、その紙上を飾る刺激的でウィットに富んだ漫画でピュリッツアー賞を受賞した漫画家が、本絵本の作者だ。「Anxiety in the big city(大都会で感じる不安)」を作品のテーマにすることが多い。その漫画同様、刺激とウィットに溢れる本書だが、テーマにも共通するものがありそうだ。

 NYの一等地、五番街を散歩していそうないかにも「セレブ」風の母犬が、お坊ちゃん然とした息子ジョージに、誇らし気に「吠えてごらんなさい(Bark, George)」と言う。ところが、息子の口から出たのは「Meow」。

「ジョージ、『ニャー』は猫なの。犬は『ワン』ですよ、さあ」と、再び促すと「Quack-quack」。「『ガーガー』はアヒル。さあ犬らしく」と辛抱強く待つ母。でも3度目に「Oink」と聞いた時には我を忘れ、目をむき出し歯ぎしり。「『ブー』は豚、犬は『ワン』」。

4度目に「Moo」を聞いた母犬は、頭を抱え獣医に息子を診てもらうことに。そこで自信満々の獣医が、ジョージの口に手を入れると……。あっと、猫が出て来た。さらに奥に手を入れると、アヒル。そして豚。それから、必死の形相のジョージの口の奥の奥から獣医が引っ張り上げたのは、そう、牛だった。この後、やっとジョージが犬らしく「arf」と吠えて、母犬も獣医も狂喜して……と、ここまででも子どもに大受けする本書だが、このまま予定調和で終わらない。

 獣医のところから、大都会の雑踏を通って帰宅する途中、母犬は犬らしくなったわが子を自慢したくて、再び「Bark, George」と言う。さあ、ここでジョージはどう吠えたか?

最後のページを読んだ子ども達は大騒ぎ。ピンときてニヤニヤする子、「なぜ、なぜ?」と事態が飲み込めない子、ジョージのお腹を透視するように見て自説を展開する子などなど。そして、大人の頭にはAnxiety in the big city—このフレーズがよぎる。

 動物の鳴き声は英語でどう表すか。英語入門・初級者にはこれだけでも、また表情豊かな絵だけでも楽しめる本書。加えて、物語のひねりが大人をも楽しませる、超名作!

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『Frog and Toad』を高齢者施設で読む

月1回の高齢者施設の3人のマダムとの英語の時間、始めてから4年以上になる。

平均年齢90歳+の3人が、ひとりも欠ける事なく元気でシャープで、ずっと続いているのが本当に素晴らしい。

教材は、もちろん絵本。

でも、3人中ふたりは、英字新聞の元記者とカナダ領事館に元職員。

そんな英語の元プロを交えていることもあって、特に中身の濃いものを厳選したきた。

そして、いつも嬉しいのは、こんな声が聞ける時。

「なんていいお話でしょう」

「絵本ってこんなに、大人にも考えさせるものなんですね」

「内容が深いですね」

「まあ、心を洗われるような奇麗な絵」

みずみずしい感性で、しみじみと、時にはあでやかな喜びの声を聞かせてくれること。

「今更、絵本なんて」
「わたしたちに失礼よ」

などと思われはしまいか心配したのは、杞憂だった。

最初は、「声を出す」ということに特に惹かれて始めた人も、思いがけずに絵本に文学や芸術の香りをかいで、続けていただけているようだ。

英語そのものの難易度はいろいろ。

他のリードアラウド・クラスの選書と一番の相違点は、文字の大きさの考慮。

3人ともに一番悩んでいるのが、視力の衰えなのだ。

字が小さいと、とても読みにくく、読み間違えが増える。

そんなことにも気がまわらなかった初期の頃は、わたしはみなさんの読み間違いを「英語の間違い」と思ったことも。
大変失礼なことをした。

文字が小さいのは、選外。

今では、
文字が大きいもの、

行間が広いもの、

と目に優しい本を心がけている。

また、
選書の第二のポイントは、
文学・芸術性。

ただ英文を多読することには、みなさん興味がない。

ゆっくり英語を味わう。

しっかり声を出す。

なので、

韻やくりかえしの音を楽しむ本、

物語の展開の面白さを堪能する本、

子どものかわいらしさを改めて感じ入る本、

挿絵の詳細へのこだわりや、色彩や造形の美しさを味わう本、

異文化への目を開かせてくれる本などなど。

これまでの選書、すべてに目を輝かしていただけたのが、わたしの勲章だ。

さて今、

まさに読んでいるのは『Frog & Toad』。

文は多少長いが、いくつかの章に分かれているので、息切れしないちょうどいい長さだ。

そして、文字の大きさ。

十分に大きい!

「大人に役立つこと、友情について学べますねえ…」

「今でも、役に立つわね」

は、昨日読んだ章のみなさんの感想。

よかった、よかった。

みなさん、これからもどうぞお元気で、ご一緒しましょう!

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英語えほん第19夜~And Then It’s a Spring

いつかリードアラウドしたい1冊。

And Then It’s Spring 文 Julie Fogliano 絵 Erin E. Stead 978, $16.99目安のレベル:初級

 子ども時代にとっていた科学雑誌の付録についてきたキンセンカとスイトピーの種。初めて種を蒔いたときの気持ちと、首を長くして芽が出るのを待つ気持ちが、本書を読んで鮮やかに蘇った。
 「First you have brown, all around you have brown」、あたり一面茶色のところに、「then there are seeds(種がある)」。こう本文が始まる。そして、そう、そう、そうだった。「a wish for rain(雨が降って欲しい気持ち)」も。「then it rains(すると雨が降る)」。でもそれだけでは、芽はやすやすと出ない。だが、茶色の地表がちょっと違って見える。「very possible sort of brown(かなり希望が持てるって感じの茶色、だね)」。いいな、こんな表現。ニュアンスのある英語が使えたら、と思うと同時に、子どもたちに接するときの心配りの手本にしたいとも。「まだ茶色だね」と言っては、身もふたもない。
 さて、虫眼鏡まで持ち出して、芽がでたかどうかを探るのは、主人公の少年。だめだ、「it’s just brown sort of brown(ただの茶色って感じ)」。こんな「sort of〜」の繰り返し、どこか大人っぽくて子どもが喜ぶところだ。…一週間たっても芽は出ない。種を食べてお腹がパンパンになった鳥たちや、全体重をかけて土の上をのしのしと歩くクマとか、あらぬことを想像してしまう。もう一週間たって、地表は「the brown, still brown(まだ茶色)」。ただ、地面に耳をつけ耳を澄ますと「a greenish hum(緑っぽいハミング)」がする。これまた素敵な表現だ。期待が高まってまた一週間、前日の雨が上がりよく晴れた日のこと。「all that brown(あの茶一色)」が、なんと!…all around、あの色に。
 英語初級の子どももついて来られそうに短く、でも詩的な文もさることながら、木版と鉛筆による落ち着いた色合いのイラストが秀逸。ツヤ消しした感じが、ぬくもりある優しさを醸し出す。遊び心もある。主人公のお伴、種の代わりに骨を蒔いたイヌや、もちろんニンジンの種を蒔いたウサギ、そしてカメ、小鳥たちの行動を追ってみるのも愉快だ。2011年のコルデコット大賞(米国の優れた絵本のイラストレーターに授与される栄誉賞)受賞者なのもうなずける。

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小1「英文作り脳」進化中〜キッズブックス英語スクール

英語を始めて3年から4年たった子どもたち。
「英文作り脳」が猛烈進化中だ。

When Sophie Gets Angry- Really, Really Angry... (Caldecott Honor Book)

『When Sophie Gets Angry – Really really Angry』をリードアラウド。
かんしゃくを起こした主人公のSophieがしたことは……。
けったり、つかんだり、吠えたり、パンチしたり、走ったり、登ったり……。
動詞のオンパレード。

そこで、「Aという主役(名詞)がなにかをする(動詞)」という文の構造に気づかせ、使えるようにしようと、リードアラウドを楽しむことと平行して裏テーマを考えた。

動詞を強調し、実際に動作もしてみて、身体に覚えさせつつ、こんなことをしている。
「Silly Sentences ゲームカード」(※残念なことに絶版になってしまった)を使った文章作りだ。

まず、動物の名前の札と、動作をかいた札に分けさせた。
小1は、さすが。
未就学児だとまだ発達途上の、カテゴリー分け能力がついている。
名前の札には「n(noun)」、動作の札には「v(verb)」と小さく書いてあり、それぞれ色違いになっていることにすぐ気づいた。
それからの分類はあっという間。

さて次に「Aという主役(名詞)が、なにかをする(動詞)」という文を、カードを使って作らせた。
例えば、「Penguins fly.」。
「動物(複数)+ なにかする」の文だ。
楽勝!

このカードはうまくできていて、「ペンギンが空を飛ぶ」のようなありえない場面をあらわす文にもなり、笑えるのだ。
ここまでが先週行ったイントロ。
今週は、さらに「A」に修飾語と形容詞をつけて、三語文を作ることに挑戦。

「Hairy pigs wiggle.」
「え〜、毛むくじゃらのブタがくねくねするって?」
変だ。
だんだん、もっと変にしようと、子どもたちは工夫して組み合せに凝り始める。

楽しめるが、ここで指導者は油断できない。
女子なら、文で表現された様子を想像して笑って、満足してくれるかもしれない。
でも、多くの男子(と一部の女子)にとって、この手の満足は一瞬で終わる。
その先というか現実的というか、競争の要素が必要になるようだ。

ということで、さあ、次回からは、「and」のカード、ワイルドカードを導入し、より長い文作りを競わせてみよう。