大島英美のBLOG

「この本の続き、あるの?」said中学生〜キッズブックス英語スクール

小学生低学年時からリードアラウドで英語を学び、中学生クラスの今中学最終学年の生徒。

思春期の到来と伴に、リードアラウドらしい読み方は少々影を潜めたが、『The Little House』など読み応えのある絵本も、それなりに内容を理解しながら、棒読みではなく、ほぼFluent reading(一歩手前くらい?)で読める。

英検準備などで、多少遅れ気味だった講読時間だったが、『Ghosts』を先日読み終えた。

英語圏の同年代が楽しんで読む本を、日本の同年代が「楽しんで」読むのはなかなか難しい。

だが、この本では、それが出来たようだ。

この日、わが生徒は英検初戦で高得点合格で気分も上々だったこともあって、言葉数が多く、この発言を得られた。

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「この本、続きあるの?」

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つまり、続きが読みたい、というメッセージだ。

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「ここで、終わられちゃ、気持ちが悪い」

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よーし。
読書のツボにはまってくれたようだ。

こういうことで、指導者というもの、ずいぶんといい気分になれるもの。
ああ、ありがたや。
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ところで、この本。英語圏ではグラフィックノベルと呼ばれるジャンルだが、日本ではコミックか。

日本で「コミック」というと、「お勉強」の仲間に入れてもらえないようだが、英語圏の英語科、図書館など、内容にお目通しがあるが、ちゃんとそれを通過したグラフィックノベルなら、読書として勘定に入れてくれる。
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『Ghosts』は、ミレニアム世代の作家が自分の中学生時代をイメージして書いて、ベストセラーになったもの。

やはり、中学生のツボが押さえられているだけあって、完全に読み取れていないにしても、わが生徒、見た所85%くらいの理解が出来ていて、それで飽きずに読み通せ、おまけに「おかわり」のリクエストまで出た。

飛ばし読み、要所要所の「とばし指導」も、グラフィックノベルならやりやすい。
中学生レベルになった生徒との対面授業では、グラフィックノベルも活用していこうかと思う。

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今朝の新聞から:「声にだしてこそ」~リードアラウド研究会

今朝の新聞の文化欄(朝日新聞2017.6.19、33ページ)、「詩 声に出してこそ」という見出しに目が吸い寄せられた。

今、詩人たちが活字で発表するだけでなく、朗読に力をいれるようになってきているのは、なぜか、という記事だ。

詩の朗読の世界大会、ポエトリースラムについては、こうあった。
スラムは「力強く投げる」という意味で、詩人たちはそこで母国語で朗読し、
英語などの字幕が写し出される。
どこまで観客を魅了できたかが審査されるもの、という。

昨年の世界大会、準決勝まで進んだ詩人によれば、声に出して読むと

言葉が十分に分からない外国詩も楽しい。
優れた朗読は音楽にも負けない

リードアラウドにひいて考えると、すごく納得がいく。

海外で詩の朗読の経験がある詩人によると

日本の詩人は肉声が貧弱すぎる

これも納得。
リードアラウドを始めようとわが門をたたくひとたちの、第一声はたいてい心もとない。

肉声を重視する詩人たちもいる。

わけは

マイクを通すと声の個性が失われてしまう

よくわかる。

ある有名詩人は語る。

朗読は詩歌・言葉の原点に返る行為

街頭などで自作を朗読してきた詩人は言う。

朗読は個性の発露ではなく、
その場が持つ磁力を感じ

死者たちの言霊をも受け止める営み」

特に、この「朗読は個性の発露ではなく、
その場が持つ磁力を感じ」の部分に共感する。

絵本の朗読では、特に、読み手の個性を発露にされると、観客は何やら腰が浮くような、心地悪くなる。
子どもなら、すぐに反応して気もそぞろになる。

リードアラウドでは自作を読むのではないが、書いたり描いた作者が込めた心を、指導者は誠実に読みとり、表現して、子どもたちに伝えたい。

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子どもの英語、言えても読めない〜キッズブックス英語スクール

Today Is Monday
スクールの親子クラスで『Today Is Monday』のおさらいをした。
歌の歌詞が絵本になったものということで、元の歌を歌って学んだあとだ。

さあ、リードアラウドという段階になって、いまさらながら驚いた。
「Today is MONDAY〜」と曜日を挙げて、その日のご馳走を言っていくまでは、読んでいる箇所を追う指は何となく合っていた。
毎回のように授業始めに、曜日のスペリングを目で認識する練習をやっていたおかげか、曜日を頼りに指を当てながら読んでいけた。

ところが……。
「All you hungry children, Come and eat it up.」というサビ部分に入ったときのこと。
子どもたちの声は、鮮やかにすらすらと「All you hungry children, come’m eatit up」とリズムに乗って読んでいた。
なのに、指!
ぜんぜん、どこを押さえていいのかわからない様子。
「Allだけでも?」と思うが、指は宙をさまようだけ。
口からは、大人もうらやましくなりそうな英語。

これ、これ。
忘れてはならない、子どもの英語の特徴だ。
覚えていても、呪文のように頭に入っているだけ。
記憶のひっかかりが、つるんとした音だけなのだ。
記憶は、ひっかかりとなるものがいろいろあるほど、長期間形成される。
たとえば、エピソードや文字。
映像や文字の記号として、音の記憶を留めてくれる。

そこで、歌で覚えた英語を、もういちど文字と照らして、音と文字を一致させることが重要になる。
読んでいる語を指で指す。
リードアラウドの約束のひとつでもある。

ああ、でもちょっと驚いた。
こなれた英文「All you hungry children, come and eat it up」を、素晴らしい発音ですらすらと言える生徒たちが、英文を前に「うっ」と押し黙る場面を見るとは……。

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手塚治虫のおかあさん~今朝の天声人語から

今朝、6月14日。父の誕生日の翌朝、父のことをこの記事で思い出した。

(天声人語から)

手塚治虫は幼いころ、母親から漫画の本を読んでもらっていた。親が子に読み聞かせをするのが今ほど一般的でなかった時代である。

しかも、その読みっぷりが傑作で、登場人物の声色を使い分け、面白おかしく演じてくれた

そう、わが父もわたしが幼い頃、たまの休みになんだか面白おかしく本だったか、まんがだったか(手塚治虫の大ファン)を演じながら読んでくれたっけ。

絶品は、動物のまね。
その動物になって(しゃべるはずないのに)しゃべる。

東北の訛りを直すために、東京で医大に通いながら演劇活動をしただけある。
東北訛りもない「東京弁」での熱き語り。

「おとうさんにとって、東京の言葉は君が英語を学ぶくらい難しかったんだよ」

父の「第二言語」による読み聞かせ。

リードアラウドの源泉かも。

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形容詞を体現、表現する演習で気づいたこと〜絵本リードアラウド認定講師講座6月報告その2

課題書『Tough Boris』では、toughを始めとして初級の英語絵本にしては上級な形容詞が、意図的に使われている。

子どもは意外と、難しい単語が好きだ。
なんだか大人になった気がするのかもしれない。

でも、それらを、「ただ読む」だけではなかなか意味が分からず、本書の楽しさが伝わらない。

そこで、これら形容詞を自然で分かりやすく表現するためには、指導者自身が、自分たちの感情と一体になるよう、身体に言葉の感覚をしみこませることが重要と考える。

指導者が、それぞれの形容詞を自分の感情として理解しているかが、相手に伝わる表現の鍵になる。

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この日のワークショップで、このことに関連して、重要な気づきがあった。

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二人ずつ向かい合って「Hello〜」と言葉を交わしながら、だんだん距離を広げていくーこの前回もした演習。

今回はこの「Hello〜」に、tough、massive、scruffyなど本書で使われている形容詞のemotionsをつけくわえる、という応用編だった。

toughな感じに「Hello〜」と相手に言いう。
相手との距離を段々にあけていくことで、emotionsの押し出しを強くはっきりさせる演習だ。

みなさんのノリもよく、かなりのエネルギー放出と心の解放もあって、さぞかし本文の形容詞の部分の表現にニュアンスと力が加わるだろう、と期待できた。

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ところが、である。

仕上げの朗読は…

ん〜。

弱い。
微妙なニュアンスがない。

結果、表現が単調でつまらない。

演習では、上手に感情が出ていたのになぜ?

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しばらくして、
気づいた!

こういうことなのでは、ないか。

例えば、tough。
toughな感情を出すのは、みなさん上出来だった。

だが、もう一段階、必要だったのだ。

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toughな感じを、「tough」という単語そのものに乗せる練習、
それをしていなかった!

toughな気持ちという空気のようなものを、toughという実在、つまり単語に乗せる、というもう一段階が、必要だった。

脳の中の、処理機能に関わることだろうと思う。

「言う」中枢に、「感じる」中枢を繋ぐのに、具体的な運動が必要らしい。

「tough」という言葉を、本当にタフらしく、脳に記憶させるように演じつつ大きな声で言う練習をすること。

今後の本講座の演習の仕方は、今回の気づきのおかげで、もっと効果が高く、効果の現れが速いものになるはず!