大島英美のBLOG

この夏1冊だけ読むなら〜キッズブックス英語スクール

忙しい英語の先生も、夏には1冊だけでも英語の本を読もうかな、などとそろそろ考えだす頃。

もし、
これ

まだだったら、ぜひ。

アメリカの南部で50年代、白人の女性をrapeしたと訴えられた黒人が裁かれるのを、白人弁護士が弁護する。
その白人弁護士の娘の目で描いた、60年刊の古典的「アメリカ現代小説」だ。

英語がまた素晴らしい。
『アラバマ物語』と分かりやすい邦題がついている。
確かにアラバマ州が舞台。

南部の英語をしゃべる主人公のお転婆少女の語りで、映画も薦められる。

本を読んでいたときには、感じられなかった「音」に感動した。
南部の英語。

読書では得られない映画ならではの、この音の経験もおすすめだ。

役者も素晴らしい。

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「大きいお友だち」は驚いた@ブックハウスカフェ~リードアラウド研究会

神保町の新生ブックハウスカフェ
で、新生第1回目のリードアラウドがあった。

わたしが「大きいお友だち」と呼ぶ大人の参加者と、子どもたち「小さいお友だち」とその親御さんが一緒に、『No David』をリードアラウドした。

Davidが、あれやこれややんちゃをして、その度にお母さんに叱られ…
という、小さいお友だちにも身近かなテーマで人気の一冊だ。

何度やっても、この本は楽しい。

それは、子どもの発言が、自分を含めた大人の常識的で表面的な疲れた頭に、刺激を与えてくれるから。

「どうしてここで、叱られちゃうんだろう?」
などと、子どもの考えを場面場面で尋ねる。
答えが楽しみなのだ。

でも、ちゃんと指導者としての頭と技も使っている。

まず、子どもの口を自然に開かせる空気作りだ。

                    ↓

リードアラウド開始前のちょっとした会話と、
リードアラウドの約束をするイントロでの、ウォーミングアップが重要。

この本なら、金魚鉢をひっくり返しそうなデッビットを見て「どんな声をあげる?」と尋ねて、日本語でいろいろ話させる。
重要なのは、指導者本人が本気で、
「や、やめて〜水がこぼれるっ!」
と迫真の声をあげること。

ここで、みんなに「キャ〜〜〜」など大声を出させること、など。
まず、一回は大きな声を出させる。

デッビッドが目の前で、危ないこと、困ったことをしていると思って、指導者から本気のエネルギーを出す。

すると、子どもの目の中に、ゆらゆらと子ども魂が揺れるのが見てとれる(緊張が緩む)。

叫ぶでも、跳ぶでも、走るでも、身体を動かせると、子どもにエンジンがかかる。

さあ、そうすると、出るわ、出るわ、発言が。

                    ↓

口の中にたくさん食べ物が入っているのを、デッビッドが大口を開けて見せる、という場面がある。

「これ、なんで叱られるの?」

と尋ねたときのこと。

4歳と6歳の答えは、意外だった。

「よく噛んでないから、身体によくない」

「チキンの骨が喉にひっかかって危ない」…

そうだったのか!

エチケットという感覚は、まだ難しい年頃なんだ。

人が気分悪いとか、行儀が良くないとか、まず相手の気持ちを考える回路が未発達なうえ、行儀なんて、人間が最後の方に獲得する文化に関わることで、これもまだ未発達な年頃には、思いも寄らないのだ。

いやあ、学びます。

発達途上のヒトを知ることは、ヒトの全体像を知ることに繋がる。

こうして「大きいお友だち」はヒトを学ばせて頂くのだが、

「小さいお友だち」は?

ご安心を。ちゃんと、こんなことを学ぶ。

何度も叱った後にまたまた困ったことをされると、ママやパパに

「That’s enough!」

と英語では言われること、

お風呂のあと「脱走」すると、ママたちがあわてて

「Come back here!」

と叫ぶこと、

うるさすぎると

「BE QUIET!」

と叱ることなど。

リードアラウドでは、大きい人も小さい人も学ぶことが山盛り!

(次回のブックハウスカフェでのリードアラウドは、7月9日。予約、問合せはブックハウスカフェまで)

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今朝の新聞から:「声にだしてこそ」~リードアラウド研究会

今朝の新聞の文化欄(朝日新聞2017.6.19、33ページ)、「詩 声に出してこそ」という見出しに目が吸い寄せられた。

今、詩人たちが活字で発表するだけでなく、朗読に力をいれるようになってきているのは、なぜか、という記事だ。

詩の朗読の世界大会、ポエトリースラムについては、こうあった。
スラムは「力強く投げる」という意味で、詩人たちはそこで母国語で朗読し、
英語などの字幕が写し出される。
どこまで観客を魅了できたかが審査されるもの、という。

昨年の世界大会、準決勝まで進んだ詩人によれば、声に出して読むと

言葉が十分に分からない外国詩も楽しい。
優れた朗読は音楽にも負けない

リードアラウドにひいて考えると、すごく納得がいく。

海外で詩の朗読の経験がある詩人によると

日本の詩人は肉声が貧弱すぎる

これも納得。
リードアラウドを始めようとわが門をたたくひとたちの、第一声はたいてい心もとない。

肉声を重視する詩人たちもいる。

わけは

マイクを通すと声の個性が失われてしまう

よくわかる。

ある有名詩人は語る。

朗読は詩歌・言葉の原点に返る行為

街頭などで自作を朗読してきた詩人は言う。

朗読は個性の発露ではなく、
その場が持つ磁力を感じ

死者たちの言霊をも受け止める営み」

特に、この「朗読は個性の発露ではなく、
その場が持つ磁力を感じ」の部分に共感する。

絵本の朗読では、特に、読み手の個性を発露にされると、観客は何やら腰が浮くような、心地悪くなる。
子どもなら、すぐに反応して気もそぞろになる。

リードアラウドでは自作を読むのではないが、書いたり描いた作者が込めた心を、指導者は誠実に読みとり、表現して、子どもたちに伝えたい。

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子どもの英語、言えても読めない〜キッズブックス英語スクール

Today Is Monday
スクールの親子クラスで『Today Is Monday』のおさらいをした。
歌の歌詞が絵本になったものということで、元の歌を歌って学んだあとだ。

さあ、リードアラウドという段階になって、いまさらながら驚いた。
「Today is MONDAY〜」と曜日を挙げて、その日のご馳走を言っていくまでは、読んでいる箇所を追う指は何となく合っていた。
毎回のように授業始めに、曜日のスペリングを目で認識する練習をやっていたおかげか、曜日を頼りに指を当てながら読んでいけた。

ところが……。
「All you hungry children, Come and eat it up.」というサビ部分に入ったときのこと。
子どもたちの声は、鮮やかにすらすらと「All you hungry children, come’m eatit up」とリズムに乗って読んでいた。
なのに、指!
ぜんぜん、どこを押さえていいのかわからない様子。
「Allだけでも?」と思うが、指は宙をさまようだけ。
口からは、大人もうらやましくなりそうな英語。

これ、これ。
忘れてはならない、子どもの英語の特徴だ。
覚えていても、呪文のように頭に入っているだけ。
記憶のひっかかりが、つるんとした音だけなのだ。
記憶は、ひっかかりとなるものがいろいろあるほど、長期間形成される。
たとえば、エピソードや文字。
映像や文字の記号として、音の記憶を留めてくれる。

そこで、歌で覚えた英語を、もういちど文字と照らして、音と文字を一致させることが重要になる。
読んでいる語を指で指す。
リードアラウドの約束のひとつでもある。

ああ、でもちょっと驚いた。
こなれた英文「All you hungry children, come and eat it up」を、素晴らしい発音ですらすらと言える生徒たちが、英文を前に「うっ」と押し黙る場面を見るとは……。

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手塚治虫のおかあさん~今朝の天声人語から

今朝、6月14日。父の誕生日の翌朝、父のことをこの記事で思い出した。

(天声人語から)

手塚治虫は幼いころ、母親から漫画の本を読んでもらっていた。親が子に読み聞かせをするのが今ほど一般的でなかった時代である。

しかも、その読みっぷりが傑作で、登場人物の声色を使い分け、面白おかしく演じてくれた

そう、わが父もわたしが幼い頃、たまの休みになんだか面白おかしく本だったか、まんがだったか(手塚治虫の大ファン)を演じながら読んでくれたっけ。

絶品は、動物のまね。
その動物になって(しゃべるはずないのに)しゃべる。

東北の訛りを直すために、東京で医大に通いながら演劇活動をしただけある。
東北訛りもない「東京弁」での熱き語り。

「おとうさんにとって、東京の言葉は君が英語を学ぶくらい難しかったんだよ」

父の「第二言語」による読み聞かせ。

リードアラウドの源泉かも。