Risk taking(リスクを取ること)と英語学習、英語指導:その2

なかなか発言ができない、という悩みを持つ大人も子どももいる。

度合いがいろいろあるが、場面かん黙と呼ばれるものは、場合や状況によって発言どころか声さえも、実際に出なくなってしまう。

 

Improvisation(インプロ or シアターゲームとも言う)をやっていて思ったのは、こうした人前で「発言ができない」傾向のある人たちに、とてもよいトレーニングになるだろうということ。

 

icebreakerと呼ばれる種類のImprov.の演習(ゲーム)などは、文字どおり氷を解かす。

氷のように固まっている心の筋肉を、あっと言う間にほぐしてくれる。

Improvisationでは、

「失敗」というものがない環境づくりを心得たfacilitatorがいて、

何を言ってもYes, andと、肯定し積極的に、こちらの発言を次の展開に引用したり生かしてくれる。

こうしたandで話を繋いでくれるということが、おそるおそる発言した人には、とても自信になり、このことで緊張がほぐれて行く。

 

英語学習者の「発言」について考えてみる。

「発言ができない」人はさらに多くなる。

特に日本人に、この傾向が強いが、

「間違ったら嫌だ、恥ずかしい」

という気持ちが主な原因だ。

 

そのせいで、せっかくの「英会話」の時間を、聞くだけで過ごしてしまったりする。

パーティや休み時間の雑談の時間など、生きた「英会話」が学べる集いの場で、寡黙になって聞き役に徹してしまう。

わが身を振り返って、もったいない時間があったとつくづく思う。

 

こんな典型的な日本人の英語学習の傾向を、improvisationは変えられるのではないか。

近頃、強く思う。

わたしも、学生時代からImprov.を知っていたらなあ、と思う。

 

Improv.では、

「失敗」も「間違い」もない。

みんながそういう態度で接する場を作れれば、それまで発言がなかった人も、思いついたまま、文法などひとまずぶっ飛ばし、話し始められる。

その場を作れるのは「指導者」のみなさんだ。

 

親でも先生でも、まずは指導的立場にある人がはっきりと、「ここでは失敗はない」と伝え、実際にそうだと思ってもらえる行動をとろう。

 

それは、具体的にはこんなこと。

Improv.の方法でもある。

 

1.緊張をほぐす(日本語であらすじを言い合ったり、絵を見て勝手に話を想像して見たり、シアターゲームをしたり)

 

2. open questions(正解がない質問)を頻繁に投げかける

 

3.相手の発言を積極的に聞く(active listening)

 

4.発言を、Yes, andで繋ぐ

 

Yes, Andの参考映像。Improviserであり女優でもあるTina Feyが、分かりやすい例を挙げて説明している。(2:30あたりから)

Risk taking(リスクを取ること)と英語学習、英語指導:その1

「インプロ」と訳されることが多いImprovisation(略:Improv)のクラスをアメリカで受講するようになって、今年は3年目。

 

2時間ずつのクラスが8回で1コース。

滞在日数の関係で、いつも4回までしか受けられず、万年初級クラスである。

 

でも、目的が日本でのリードアラウド指導に役立てたり、
アクティビティとして日本人向けにアレンジすることなので、かえって初級クラスを何度も受けるほうが役立つような気もする。

 

実にいろいろな演習(or シアターゲーム)をするのだが、それら演習をする意味が、よくわかってきた。

 

Improvの大切なコンセプトのひとつに、「リスクをとる」というのがある。

 

演習の多くが、この「リスクをとる」ことの演習につながっているのがわかってきた。

リスクをとる、とは言い方を変えれば、

 

新しい考え(思いつき)や解決法をいつでも受け入れられるように、心を開いておく

 

ということ。

 

目の前に現れた状況や事情を、受け入れること

 

リードアラウドで言えば、子どもに質問して想定外の応えを出されたときなどが、この状況にあてはまる。

 

子どもに発問すること。
そしてその応えを受け入れること。

これは指導者が準備していた答えとか進め方どおりに出来なくなる、「リスクをとる」ことだ。

 

これが、これまでに話題にしたこともある「Yes, and」の「Yes」の部分。

リスクをとって、yesと受け入れる。

それから、
and〜を付け加える。

 

すなわち、

その応えをした子どもと協働したり、

 

その子の考えを深めたり広げたり、

 

その場にいる全員に働きかける

 

指導者にとって、発問することはリスクを取ることだが、
子どもにとっても、発言はリスクだ。

 

このリスクをとった相手に対して、Improv.では素晴らしい、「取るべき態度」が約束事にある。

それは、

Embrace failure

失敗を失敗にさせないで、肯定すること。

Create safety

「ここなら、いいんだよ」と、安心の場を提供すること。

リスクをとったことを常に肯定し、支える

 

周囲にそういう肯定的な態度で接される限り、リスクを取って応えたり発言した子どもには、「失敗」はない。

発言すること、質問にこたえることは、大人も子どもも勇気がいること。

この勇気ある行動のあとに、いつもそれが肯定され支えられるなら、人はより楽な気持ちになれ、またリスクを取る気概が出てくる。

 

この心がけは、英語学習者にも大いに役立つ。

 

文法や発音を間違えたらどうしよう

とずっと発言しないでいるのではなく、リスクを取る。

これが、上達を促してくれる。

 

手を挙げること。
声を上げ、自分で話す機会を作ってしまうこと。

「誰かやりたい人は?」
という聞かれたら、機会を逃さない。

リスクを取るのだ。

Improv.の演習は、とても気楽。

子どもの頃の遊んでいる時間を思い出す。

失敗を恐れることが少なくなり、いつのまにか反射的に前に出られる自分、大きな表現をする自分を発見する。

(続く)

David Lynch 祭〜ときには映画も

David Lynch監督の奇怪なテレビドラマ、Twin Peaks が25年ぶりに新作でカムバック。
それで、思い出した、この監督のユニークさを。

美術館でフィルム回顧シリーズがあり、『Elephant Man』(1980)に続いて、昨夜は『Blue Velvet』(1986)を鑑賞。

この映画では、Twin Peaks っぽさが、音楽や場面作り、カメラ使いなどあちこちに見られる。

音楽、レトロというか微妙にスローで哀愁、ときに退廃感もある選曲やアレンジが独特だ。

また、音楽と映像、色使い、静かなながら不安を感じる画面なども、好きだ。

どきどきはらはらさせたり、ギャグのように笑わせる瞬間があったり、映画の娯楽性も忘れない。

英語で感情を表す~キッズブックス英語スクール

英語という母語でない言語で、そのときどきの自分の感情にぴったりあう語彙を選び、その単語に気持ちを100%負わせられるのには、

ごく濃い英語環境で暮らした経験か、浅いのなら長い英語経験

が必要だと思う。そうでない場合は、隔靴掻痒というか欲求不満の状態だ。

たとえば、湯気が頭から出るくらい、破壊的行動に出たくなるほど、かんかんに怒ったとき。

ごく普通の日本人の英語知識だと、angry またはせいぜいvery angry くらいしか思いつかないかもしれない。

I am very angry.

でもこれでは、お笑いのネタになってもおかしくないくらい、まぬけっぽい。

そんなときは、furious 。これなら、カッカしたイメージが浮かぶ。

または、嬉しくて興奮したときに、I am very happy?
なんとも、これでは弱い。

もっと、もっと、飛び上がって万歳するくらい嬉しいのだ。

ecstatic!

こう言えば、気持ちが収まるだろう。

実際に、こういう場面を経験し、そこで的確な語彙を仕入れられればいい。

でも、例えば1年の留学では、出会う場面の種類がそう多くない。

日本で英会話学習でスキットを練習しても、

状況設定が非現実的だったり、

感情表現をともなわない読みや暗記だけだったりで、

ある程度長く学習しても、当意即妙な英語にならず、いつも欲求不満を抱えることになる。

それではどうしたら、日本にいながら、

そんなに濃くない英語環境で、
自分の感情にしっくりくる英語語彙を身につけられるか。

本だ。
特に絵本が、長すぎず、場面がつかみやすく、使い易い。

それを、少し大きめの表現をつけて

繰り返し

声に出して読んでいくこと。

そうだ、リードアラウド!

リードアラウドの力を、もっと上手に言葉で表し、より多くの人に伝えたい。

英語絵本大人セミナー
*朝日カルチャーセンター「声に出して読む英語絵本」講座

*英語のプロにはこちら

*子どもたちにはこちら

感情など形容詞の表現練習に使って見て、よかった本:

濃い英語環境

『Inch by Inch』参考動画~キッズブックス英語スクール

小学生クラス、そしてリードアラウド認定講師講座の8月の課題書である本書。

このビデオは模範的な読みの、ご参考に。

こちら、アドバンス認定講師のご参考に。

子どもの溌剌とした読み方に、少しでも近づけるよう、指導者のみなさんはご研鑽を。