ドアはまずノックから〜リードアラウド研究会

なにもしなければ、なにも起こらない。

自分がいいと思ったことを外に働きかけるのは、勇気と行動力が必要だ。

 

家族の世話や介護、自分の健康状態など、なかなかタイミングが合わないこともある。

 

そんななか、リードアラウドを愛し、その愛を子どもらに伝える活動を開拓し、続けている仲間の存在は、大げさかもしれないが「生きていてよかったな」と思うくらい嬉しい。

 

「古参」の仲間、Iさんから便りが届いた。一部、ご紹介したい。

 

(前略)

先日、20日にT市の図書館で、Bear & Hare Go Fishing
読ませていただきました。
4歳から小2まで4人と母親たち、後ろには数名の大人と、なぜか子どもたちもー
私の声量不足で、遠くから眺めてくれていた方々には十分伝わらなかったかも
しれませんが、一緒に読んでくれた子どもたちは、わくわくしながらページをめくってくれました。
後ろにお一人で座っていた白髪の上品なご婦人が、子どもたちが魚を釣るたびに
実にタイミングよく拍手してくださり、盛り上げてくださいました。
感謝!
(中略)
嬉しいことに、3月3日は図書館まつりで、おはなし会スペシャルが開かれるとのこと。
大勢の読み聞かせのベテラン方に混じって、一人でどこまで子どもたちと一緒に楽しめるか、甚だ不安ではありますが、挑戦あるのみ、かとー
   (後略)
 拍手!
開かなそうなドアも開きそうなドアも、まずはノックをしないと。
今、ドアを開けさせたIさん。
Thank you so much for Read Aloud!

リードアラウドは伝達?表現?〜リードアラウド研究会

朗読にはふたつ目的があるだろう。

伝達と表現。

 

英語絵本をリードアラウドしていて、今更ながらに思うのは、表現に重点を置いている、そこがリードアラウドたるところだということ。

また、リードアラウド以外のよくある読み方、「英語が上手な人たち」= 英語の先生や素人のネイティブスピーカーなどの典型的な読み方は、意識していないにしても、ほぼ伝達を目的にした読み方だということ。

 

そんないわゆる「英語が上手な人たち」をも相手に、わたしが図々しくも「指導」できるのは、その伝達的な朗読を表現的なものに近づける指導を期待されるからだ。

 

伝達の読み方と表現の読み方、どこが違うのか。

 

まず伝達の朗読。

英語を聞くだけで文章や単語が頭に浮かぶ人たちに、その本に何が書いてあるか、客観的に文字面を読んで聞かせる。

または、読み手と聞き手の手元に同じ本があり、英語がある程度わかる聞き手に、読み手が全語句を読み下す。英語の先生が教室でする典型的な読み方だ。

 

次に表現する朗読。

書いてある言葉を身体に一度取り込んで、書かれた物語の主体として自分の感情にしたものを言葉に載せる。

 

伝達の朗読は、本来聞き手がその言語に通じていることが前提となっているが、表現の朗読は、その言語や文字を十分知らなくても、同じ人間の感情なのでかなりの部分、理解や推測ができる。

 

英語絵本を英語を母語としない子どもたちに読んでやって、

「ちんぷんかんぷん!」

という感想をもらった経験のある人。

 

多分その読み方は、伝達の朗読だったのだ。

 

表現の朗読を目指そう。

 

 

わたしの予想では、近いうちに、伝達を目的とする朗読は、AIなど機械が軽々とやってくれるようになる。

 

でも表現する朗読、リードアラウドがそうだが、感情というとても人間らしいものが関与するので、しばらくは人間がリードできるものだろう。

 

まだまだ機械に勝てる。

そして表現の探求は、「芸」という高い目的を人に与えてくれ、精進すれば子どもたちにも喜ばれ、それに対して「喜び」というおまけがつく。

 

2017年度、絵本リードアラウド認定講師発表会が終わった(2)もう一息のところ〜リードアラウド研究会

(1)のつづき

もう一息のところも、もちろんあった。

  1. リーダーズシアターの見せ方をくふうをすること

これは、今後わたしが、練習の段階で演出するのが適当だろう。

また、この日、直前の打ち合わせでつけた演出が、かなりショーを楽しくしたが、全員に徹底しなかったので、本番で少々乱れたのが非常に残念だった。

 

2. 指導中、子どもから思わぬ質問や事実に照らして訂正したい答えが出た時、ときに対応があいまいだったり正確さに欠けること

 

確実でないことを、正解と受け取られかねないように答えては絶対いけない。持ち帰るか、知らないから調べてね、など正直に。

また、子どもの質問を「やっかいだ」と思わないこと。表情にでる。質問はありがたいし、子どもが集中しているということだから、褒めること。

 

3. ときに観客の反応をよく見てないため、間合いが不十分で、観客が内容をよく把握できないまま、進んでしまうこと

たとえば、台詞を読んだ後、ナレーターが観客に「どう思う?」とでも問うような視線を投げると、その都度、観客は内容を立ち止まって考える時間を得られる。

4. 笑いを起こしたい本の場合、「しつっこさ」が足りないことがある

 

演劇などで笑いが起こるのは、繰り返しの台詞や動作、演技のときが多い。ベタな感じだが、どうやら人間の笑いはベタなものに起こるらしい。

「指導者」は知らず知らずのうちに、気どってしまっていることがある。表現するときは、そういった気どりや、「先生らしさ」の殻は邪魔。それらなしで、もうちょっとベタで「しつっこい」表現者になりたい。

 

5. 「Crow Boy」のナレーション、淡々としてはいても、元同級生としての痛み、驚き、尊敬などいろいろな気持ちが混じる。淡々と「ナレーションっぽく」して感情が抜けてしまうところが、まだ第一グループにはみられたこと

AIと生身の人間の違いを出したいところだ。

同じ「Voice of Crow」という語を、何通りにも言い換えられた、第二グループは、さすがのベテランズ。

かなりの出来だが、元同級生であるナレーターの心をもっと「深掘り」させること、間合いをもう一歩自在に、もうすこしケレンを加えるなどが、今後の目標か。

 

2017年度、絵本リードアラウド認定講師発表会が終わった(1)よかったところ〜リードアラウド研究会

絵本リードアラウド認定講師講座、年度の締めくくりは発表会&審査会。

1月13日当日、参加予定だったM.Y.さんとM.Iさんがどうしようもない事情でこられず。

ふたり分のあきが寂しかったが、遠方からのひとりも加え参加できたみなさんによる見応えのある発表会だった。

 

まずは、「よかったこと」を挙げたい。

1. 昨年と比べて、全員に明らかな上達が認められたこと

 

お世辞ではなく、全員に、というところがとても嬉しい。

たとえば、「声、言葉が少々不明瞭」と昨年の審査でコメントつけた人の場合。

その彼女は今年、「そんなこと書いたっけ?」とコメントを読み直したほど、声量も出て、滑舌も明瞭に。

 

個々への「上達」コメントをお楽しみに。

 

2. 模擬指導で、安心してみていられた。気になって長々と口を挟まずにすんだこと

 

一瞬「ダメ出ししようか」と思うことはあったが、そう思っているうちに、その瞬間はめでたくさった。みなさん自身が修正し、わたしの出る幕はなくなった。

安定感がかなりあり、みなさんの指導を楽しめた。

 

3. 見せ方、表情に違和感なく心地よかったこと

 

演出や盛り上げ方には、まだまだ工夫の余地はあるが、現状は自然でかつ知的、好感が持てる。

 

4. 表現にわざとらしさがなく、ユーモラス。笑いを誘えたこと。また特に上級者は、表現に細やかな思いが込めら、感動を呼んだこと

5. 英語指導者として正確で、信頼感を醸せたこと

 

 

 

 

発表で見えてきた絵本リードアラウド上達のステップ〜リードアラウド研究会

昨年末は、ブックハウスカフェのおかげで、リードアラウドの仲間たちに発表の機会を持てた。
発表会で、わかったこと、見えたことが色々あった。
いくつか挙げてみる。

  1. 自主練習に精がでた

    リードアラウド、朗読は練習が肝要。
    分かっていても、なかなか時間を取れないし、積極的に取るまでにはいたらない。
    だが、目的が具体的になり、期限も切られると、練習に身が入ることに。
    その結果は……
    「階段二段飛ばし」ほどの、目覚ましい上達が見られた。

  2. 上達には、ある決まったステップがある

    リードアラウドを始めて1年になるかならないかの、カルチャーセンターの仲間が加わった発表だったおかげで、上達のステップがよく見えた。

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    [典型的ステップ]

    • 半年〜1年
      声・滑舌が聞き取りやすくなる。
      意味が聞いてとれる読み方に。
      ところどころ、聴衆の気を引くよい表現がまじる。
    • 2〜3年
      声・滑舌がさらによくなる。
      感情がない、表現を取りこぼす言葉が少なくなる。
      集中できたときは、荒削りな表現でも聴衆を盛り上げる。
    • 4〜5年
      声・滑舌に安定感・自然感がでる。
      感情表現のない語はなくなるが、ところどころ少し違和感が残る。
      自ら図って盛り上げ、自然に聴衆を楽しませる。
    • 6年〜
      声・滑舌に安定感・自然感・自在感・ダイナミックさがでる。
      思い込みや長年の癖で、読解の際、違和感のある表現をすることがある。
      盛り上げ方や楽しませ方のスケールが、こじんまりすることがある。

人によって、かかる年数に多少の誤差はあるが、通る道筋はほぼ同じなんだなあ、と感慨深かった。
The Day the Crayons Quit