普段はおてんば、ひょうきんな面もあるNちゃん。
だけれど、英語で、それもクラスのみんなが注目しているなかで、大声がなかなか出なかった。
それと、リードアラウドが強調する、感情を込めた言い方も、いざとなるとできなくて、文脈と関係なく、どれもちょっと「仏頂面」になってしまう。
ところが、異変が起こった。
『Night Animals』のリーダーズシアターをするということで、練習をしていたところ、Bat役のNちゃん、最初のせりふの番だ。
「STOP!」
Nちゃんの、腹からの吠えるような大きな声が、教室に響き渡った。
えええ〜!
「Nちゃん、凄い。凄い!」
と反り返って、反射的に叫んだわたし。
でも、空耳?
なんだかにわかには信じがたく…。
失礼ながら、リクエスト。
「Nちゃん、よかったから、もう一度!」
そうしたら、「きょとん」と「してやったり」感のある顔が混じった表情のNちゃんが、りりしく、一瞬間を置いて、もう一度叫んだ。
「STO~~~P!」
これは、本物。
ついに、Nちゃん。
やった。
英語のクラスで、おまけに前に立って、そのまたおまけに、椅子の上に立って、大声で、Batが仲間を止めようとする緊急性ある場面の台詞を、その感じ溢れる大声で、発声!
バンザーイ!
ばばばばんざーい