(その2からの続き)
講評と展望などディスカッションの時間が取れず、今更だがここに記そうと思う。(遅くなって、ごめんなさい!)
自分以外の人への講評/展望も、役立つこともあるので、読んで頂けると嬉しい。
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C.N.さん。
観衆にアイコンタクトを送ることができ、声のボリュームもそこそこあるので、日本語の本なら十分な説得力があるだろう。
ただ、英語絵本の場合は、英語を聞いただけでは聴衆はほとんど理解しないので、表現を日本語のときよりも掘り下げることが必要。
そのためには声の要素(fluency表の左側に列挙してあるもの)を、要素別に磨いていくと、伝わりやすくなるはず。
最初は、声の高低(pitch)からがいいかもしれない。
高−中ー低を意識して使い分け、その差がはっきり聞き分けられるよう、大きくする、などの演習だ。
また、高音域にある「無垢な」子どもの声作りは難しいので、サンプリング(本物の子どもの声を聞く)するのも役に立つ。
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J.O.さん。
声のボリュームは抜群。
ただ、声を大きくするときに、姿勢が少し前屈みに、または、前に乗り出しすぎる傾向があって、抵抗を感じる聴衆もいるかも。
空間をダイナミックに使う手として、前に出るときもあっていいが、まっすぐの定位置、奥に引くという空間の使い方も考えてみたい。
その際は、顎を引きすぎない。
全身鏡で見ながら読み、微調整してみよう。
この微調整で、さらに聞きやすい声になるだろう。
声のバリエーションについて。
ナレーションなどの部分で、一段高いところから場面を見るような、深い語りを挟むと、エネルギッシュな台詞部分がさらに映える。
Pitchの「低」、緩急の「緩」の部分の演習が、より奥深い朗読につながるのでは。
指導は、年齢層を下げた場合にもいつか挑戦してみると、勝手が違ったりして、指導者としての枠が広がるだろう。
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I.Y.さん。
わたし自身の経験から、体幹を作ると、線の細い朗読がより強いものに変わる。
下にたれがちな首は、わたしの場合は、写真や影、鏡でチェックしているが。
朗読は、「心」の他に「体育」的な部分もある。
身体は、声を共鳴させる筒と考えて、「いい筒」にしてあげよう。
感情を声に乗せるのが、最初の朗読ではごく控え目だったが、後半、二度目の朗読では、感情がより解放されたように感じた。
ウォームアップは、感情の表出にこのように効くので、普段の読む仕事の本番前に、いつもよりも大きな起伏をつけ読むといいのでは。
絵、情景を頭に映画のように浮かべながら読む、それらの絵と読みを一致させるというのは、ちょっと苦しいのだが、よい朗読には必要な過程。
このトンネルを抜けると、明るく楽しい景色が広がっている。
指導に関しては、発問をさらに心がける。
それが即興的に出るようになるのを目指したい。
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Y.S.さん。
ワークショップに連続参加した結果だろうか。
表現に広がりが、そして見て楽しませてくれるものに、なり始めている。
今回、stage whisperなどの台詞回しに、力強さが加わった。
声の要素が少しずつ獲得できて、声にこれまでよりも変化を付けられるようになった。
身体の動き、表情に、言葉との一体感がもっと加わるようにと思う。
そうすることで、言葉に強さと想像を喚起する力が出るだろう。
言葉を身体化する演習をもう少々。
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A.I.さん。
ワークショップの演習で「即効」だったのは、Wild Thingsの会話部分。
実際に登場者がナレーションに割って入る感じが、二度目の朗読には出ていた。
母子の言い争いも、ずいぶんとリアルに近づき、聞く楽しみがアップ。
聴衆も、はっとして、注意をむけてくれるはず。
本文中の会話部分は、だれが言っているのか、キャラ付けをさらに徹底して、それらしくしていこう。
本文の分析も、表現の深化にプラスになったようだ。
Wild Thingsの物語の締め、最後のページのセンテンスに優しさがでて、物語があたたかく終われたのは、著しい上達だろう。
表現の要素として、緩急と声の高低をもう少し意識することで、さらに変化に富んだ飽きさせない朗読になりそう。
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H.T.さん。
プロの声、という感じになってきた。
数年来のワークショップ練習と、実践の成果?
たいへん喜ばしい。
表情も豊か、動作も大きく分かりやすくなった。
場面場面では、及第点をあげられるところも増えて来たが、今後は、部分部分だけではなく、全体の内容解釈と繋げることを目標に。
構成(序破急)の意識とか、緩急の出し方など、全体として演出効果も考えよう。
指導もどうにか自力で進められそうかも。
努力目標としては、楽しさとともに本の解釈にふれる発問が、さらにわくようにしたい。
年長児の奇抜な応えへの、楽しく教育的でもある対応なども視野に入れる。
楽しい表現は出てきたが、自身のリラックス感がもう少し欲しい。
解放がまだ足りない?
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M. N.さん。
ワークショップの3時間で、だんだんリラックスしたようだ。
表現を楽しんでいるのが、表現自体にも表れて、より楽しい表現になった。
声量と高低を出す練習は、今、とても役に立つと思う。
まずは、ボリュームを押さえないで、3メートル程度離れた先に向って、表現を気にせずに(平坦でもいいので)読むのは、いい練習になるはず。
機械的ではない、物語の内容に応じた間合いというのも、意識が始まったようだ。
本文が台詞で出来ている場合はとくに、リーダーズシアターでの登場者たちの動きを思い出し、間合いを考えるとよりリアルになる。
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M.K.さん。
楽しむことがたいへん上手で、自身が楽しむことで、リードアラウドに大切な「楽しさ」がよく表れていた。
「分析」や各演習後に、その表現が楽しいだけでなく、きりっとした。
分析すること、演習することで、まだ磨きようがあるという証明かも。
ひととおりの表現もできる今の目標は、分析や解釈に基づいた立体的で緻密な表現だろう。
そのために、基礎的なfluencyの要素を、意識的に演習するといい。
たとえば、pitchなら、一文を句ごとにpitchを変えて読む。
緩急なら、tongue twistersの練習など。
ワークショップでやっていることだが、こうした要素を基本から演習!
指導については、機会があれば生徒を発問ぜめにして、その応えを全て肯定しつつ、自分が伝えたかったことを加える、という練習はいかが。
説明したくなる先生の癖を、どこまで押さえられるか挑戦!
盛りだくさんの内容のワークショップありがとうございました。
大変勉強になりました。
また、一人ずつのアドバイスを細かくいただき、感激です。
本当に自分が思っているよりずっと大げさに表現しないと他の方に伝わらないのが実感できました。
呼吸法、鷹揚のつけ方練習します。
次回も楽しみにしております!よろしくお願いいたします。