大阪で『Not a Box』を叫ぶ〜リードアラウドwith洋書屋さん

大阪は江坂の洋書屋さん主催のイベントにお招きに預かり、初大阪リードアラウド!

上は6年生から下は赤ちゃんまで、用意された席にぴっちり肩と肩をふれるくらい並んでくれた。

英語など教育に熱心な家庭が多い地域と聞いていたとおり、英語を学んでいる子どもたちが3/4くらい。

とは言え、「この本、もうすらすら、読めちゃう人は?」と、最初にわざと聞いたら、「え〜〜〜っ?!」。
「ああ、よかった。わたしがやることなくなっちゃうもんね」とわたし。
ここで、空気抜き成功。

「最初から上手に読まなきゃ」と思いがちな、子どもの緊張感がゆるむ。

開始前の、問答や何人いるかの人数を英語で数えてみるなどのちょっとしたアクティビティが、子どものその語の発言を誘う。
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このたびも、発言がぞくぞく。

そして、『Not a Box』のポイント、「何度、言わせるの!これは箱じゃないってば」という主人公のウサギの憤りの表現が、炸裂!

「もう3度めの『not a box』だから、かんかんだよ」と、顔を真っ赤にしてNOT A BOX と、競争のように次々と怒りの表現にのせて読んでくれた。

NOT NOT NOT NOT と、notが4度続く、怒り心頭という感じのせりふでは、圧巻だった。

4グループが競って、より怒ったように「NOT!!!」。

もう、今日のリードアラウドで、「not a box」は口癖になったかも。
そして、これから英語で否定したいときの「not」に、感情がよりこもるかな。

リードアラウドらしさが、よく現れて、とても活発ないい会になった。

それから、たっぷり目にとったQ & Aの時間。

子どもたちの熱演、活発な発言のおかげだろう。
大人たちからもたくさんの質問が挙がった!

「どうしても、英語の本を読んでやっていると、areの過去形がwereだ、sayの過去形がsaidだなどと、説明したくなってしまう。リードアラウドでは、どうするのか」

そうそう、これ。
尋ねて欲しかったことのひとつだ。

リードアラウドのモットーとして「説明」はしない。
子どもは、もう大人の世界で決まっていることを説明されるのを好まない。
子どもから求めていない説明は、どうも頭に届きにくいものだ。

でも「tell」する。
たとえば、せりふで今回の絵本の本文にあった「I said, it’s not a box」を読んだ時。
「このせりふ、ウサギが言うのは初めて?」と発問。
「ううん、さっきも言った」と子どもが回答。
「そうだよね、だから、そう言い返えすよね」と受けて、「I said〜」をみんなで読む。

これが、「tell」。
I saidなど、文の意味の伝え方だ。
そしてそのなかに、「言った」と自然に過去形がつかわれる。

英語を母国語のように、どんどんインプットしていくという方法が、子どものうちは有効だと思う。
I saidという言い方があったな、という記憶を残してあげたい。

そうすれば、遅くとも中学校で文法を学ぶときに、「sayの過去形はsaid」とお経のように丸覚えせずに、「ああ、saidってあったな」とsayとの関連付けをすると、記憶が強く、それも自然に残るようになる。

でも、文法に興味を持ち出している場合、または説明や解説を聞くのが好きな子どもの場合は、いつでもそれをするのは問題ない。

この質問から触発されて、こんな質問も挙がった。

「同じ本を何度も読んでいいんですか」

もちろん!

イベントでのリードアラウドは1回1回、違う本を読むが、リードアラウドを教室や家庭でやる場合は、何度でも。
ただし、無理強いはせず、飽きたようだったら、ちょっと脇に置くが、再び目に触れやすい所に置いて、機会をみて何度でも。

2度目以降は、全部最初から読まなくてもいい。
気になる所だけ、と気楽にさせたい。
そして、そんなときに、説明したくなって聞いてくれそうだったら説明してもいいだろう。

子どもはときどき、大人に寛容になるときがある。

今回の本なら、役(ウサギともうひとりの、箱にしか箱が見えない人)に分かれて読み合うということで、2回は遊べる。
また、まだ入門程度の子どもなら、ウサギのnot a boxのせりふだけ、ひろい読みもいい。

ただし、その場合も、必ずウサギの気持ちを考えさせ、表現を工夫させながら。
それが、子どもには面白い。

文字をただ正確に読むことを期待されている、「正解」を出させようとしている気配を感じると、とたんに勉強になってしまう。

大人は、このあたりを注意したい。

英語絵本を読み合う楽しさの種を、ひとつでも多くの家庭にまけたらと、質疑応答の応答にも熱がこもる。

ちょっと講師の熱さが「暑苦しい」会だったかな…。

みなさん、ご参加をどうもありがとう!
イベントを洋書屋さん、どうもありがとう!

「大阪で『Not a Box』を叫ぶ〜リードアラウドwith洋書屋さん」への4件のフィードバック

  1. 大島さん、昨日は本当にありがとうございました。

    Not a Box!のフレーズ、私の中でもグルグル回っています!

    facebookに記事を載せたところ、色々コメントいただきました。普段恥ずかしがり屋の女の子が積極的に声を出していて、帰宅後も Not a Box!を連呼しているそうですよ

    エッグペイントの時も、絵本をハムスターに読んであげるのだと別の女の子に自慢されました!

    アンケートもとっていますので、また纏まったらお送りさせていただきます。

    また是非大阪にお越しください!

    そして本日もありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。

    よろしくお願いいたします。

  2. The page 純子 より:

    昨日は、天王寺でのワークショップ、ありがとうございました。24時間以内の約束を、娘(小6、中3)達とお風呂に入りながら、楽しみました。
    そして、今日は今年度最後の中学での授業で、リードアラウドとまではいけないですが、読み聞かせをしてきました。The Carrot Seed です。ただ、いつもより進化させたのは、「どんな感じで、お母さん 言ってるかな?」と発問しながら・・・。「え~、絵本?小学生違うで、俺ら」と言いつつも 聞いている。指導者の喜ぶ、わかりやすい反応は 少ないけれど、きっと彼らの中に 種が播かれていることを願って。

    秋に再会できることを楽しみにしております。次回のワークショップでも 前日などにイベントをされるときは告示していただけると とても嬉しいです。(今回、私が見逃していたなら ごめんなさい)

  3. Oshima より:

    ご参加をありがとうございました!「進化」も嬉しいです。種は蒔かれたに違いない、と思います。
    イベントの告知、キッズブックスのトップページに載せていますが、分かりにくかったり、遅かったりしたかもしれません。
    今度はちゃんとします。また、ツイッターをしていらっしゃったら、フォローして下さると、うるさいくらいつぶやきます。どうぞよろしく。

  4. Oshima より:

    ワークショップでは「いじられ役」、どうもすみませんでした!
    これに懲りずに、どうぞまたご一緒させてください。
    ありがとうございました。

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